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二章  アルジェンとの出会い。 4

 そのまま二人で、移動していく。

 ようやくして城へと辿り着くと、扉を潜って建物の中へと入って行った。

 父は前を向いた状態で、歩きながら話しかけてくる。

 「この後に私は、城の者達と会議室で、舞踏会の警備の打ち合わせと確認をする。…お前も今回も参加しろ。」

 「はぁ。…でも私は、今回は。」

 と私も曖昧に返事をしながら、話に入っていく。

 「あぁ、わかっている。…お前はシヤリー令嬢の客人として出席するのだろう。…だが何かあった時の為に、警備の配置は頭に叩き込んでおけ。…」

 「…えぇ、…はい。」

 「…いつも言っているが。…剣の訓練や警備の会議も、…お前の将来的にも必要になる事だ。…近衛騎士団の団長の娘のレッテルが付きまとうのだから、ある程度の自衛方法や、兵士としての知識は身につけておくのだ。」

 「あぁ、うん。…」

 「…実際、家庭教師にでも頼んで、女らしい稽古をさせるのが普通の親だろう。…だが家は代々が近衛騎士の家系だ。しかし私は妻に先立たれて、お前しか子供はいない。…もしも私に何かあれば、お前に残してやれるのは、金と近衛騎士としての事だけだろう。」

 「………うん。」

 「…お前も成人になる間近なんだ。…なんなら、良い男でも探してこい。…居ないなら、騎士団からなら身繕ってやれる。……この先も我が家が繁栄するかどうかは、お前の肩に掛かっているのだぞ。」

 「わかってるって!!」

 「………そうか。…なら、良い。」

 そう言って父は最後に呟くと、話を終わりにしてしまう。殆ど最近は何かにつけて今と同じ話ばかりしてくる。

 対して私はうんざりしながら、深く溜め息を吐いた。

 二人して黙ったまま、どんどんと先を進んでいく。

 やがて階段を登っていき、城の三階にある王族の居住区域にまで差し掛かっていた。

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