二章 アルジェンとの出会い。 2
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暫くして、場所は移り変わる。
此処はロストカ城。城下町の中心地に聳え建ち、深い掘と高い城壁に囲まれている。
その城と城壁の間には、城の出入口から、南側の正門を繋ぐ舗装された道は、真っ直ぐに伸びている。
周囲には広大な庭があり、庭木や芝生が植えてある。常に庭師によって手入れされ、年中を通して数々の花が咲き乱れており、宛ら芸術作品のようである。
此処の南西側の端には、近衛騎士団の寄宿舎が建てられ、すぐ側には広場がある。
その広場に私は来ていた。朝の食事や身支度を整えるや否や、息つく暇もなく父の後を付いてきた。
広場では近衛騎士の兵士達の訓練がある。毎日の日課としており、武器の使い方や軍隊の規則を学ぶ。
因みに私も父の言い付けで、武器の鍛練には参加を強制されている。
今も大勢が各々の武器を手にし、目の前の一人に向かって順番に突撃していく。
「遅い!」
「ぐはっ?!」
と一人の兵士が攻撃を鋳なされ、反撃を喰らって地面に倒れた。
「次、!!」
彼等の対戦相手は、私の父である。
また他の兵士が薙ぎ倒され、膝をつく。
さらに父は次の相手を呼びつけると、再び剣を構え直し、威圧的な気配を漂わせだした。
対して次の兵士は向かい合う。しかし既に気圧されて動くのを躊躇し、最終的に破れかぶれで突っ込んでいく。
次々と兵士達は向かう度に、容易く倒されていた。
そのまま同じ様な光景が何度も繰り返され続けた。