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一章 波乱の舞踏会 10

 ※※※


 そうして、場所が移り変わる。

 此処は、ドギアス城内の二階部分の渡り廊下。等間隔に窓と調度品が並んでおり、延々と奥まで続いている。

 この先には左右に分かれる突き当たりとなる。さらに奥に進むと、左の方の道には王家の居住階層に続く上り階段がある。

 また反対の右の道には下の階と地下にまで続く下り階段だ。

 しかし辺りの灯りは、何故か消されていた。

 辛うじて窓から月の光りが射し込んでいて、全体的には、やや薄暗くなっており、何処に物があるのかは判別が出来る。

 物陰に隠れるのは、無理そうだ。

 私は周囲を注意深く見ながら、走り続けている。

 やがて廊下の突き当たりにまで辿り着いた。

 すると曲がり角の先、ーー両方の階段の奥から、複数の足音が聞こえてくる。

 それらは段々と遠ざかっていくようだった。

 (父様がしくじって別の道の方に向かった?…だとすると、私はどちらに行けば、…)

 と、私は立ち止まり、一時的に考えを巡らせると、とりあえず左の方の道へと走り出した。さらに階段を駆け上がり、城の三階で王家の居住階層に侵入する。

 そこも長い廊下が奥まで続いていた。

 また左右には部屋への扉が数多く並ぶ様にあった。

 此処等も渡り廊下と同じく灯りが消されている。

 おまけに城内の兵士や使用人とも、全く出くわさず、人の気配すら感じなかった。いつもは多くの人々が入れ代わる様に世話しなく働いている筈だ。

 普段の様相とは異なり異様な雰囲気だった。

 まるで意図的に人払いをされているようである。

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