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主!
ローズは先ほど獣を殺した場所に向け歩いた。魔法などは使えないだろうかと手のひらに意識を集中させた、すると炎が舞い上がった。
「おー。さっきの焼いて食えんじゃん」
そして鎌は念じるだけで出し入れが自由だった。
夜も更けて来た。焼いた肉を頬張りながら、次の宛を模索していた。
「とりあえずこの森にいる強そうな獣狩ってくか」
ローズはこの三日間で森の主を倒し、新たな主となった。
ローズの噂は近くの街にまで囁かれた。千年以上、森に君臨した主を倒した者がいる、と。
「あの噂、ほんとかよ」
「なんでもガキが倒しちまったとか……痛っ。気ぃ付けろ、坊主!」
街人は少年の肩を強く握った。少年が振り返り、目が合うと男は後退りした。
「手、離せよ」
「わ、悪かった」