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少年、走る
不貞腐れながら森を歩いていると、深い帽子を被った女性が走り回っていた。
おーい、と声をかけたのだが、女性は立ち止まらない。
「たす、たすけ」
少年は首を傾げた。熊のような生き物に追われているのは分かるのだが。
「は?え?」
少年も女性と並んで走った。
「意外と楽しいかも」
女性は頭を掻きむしりながら叫んだ。
「助けてよ!」
少年は嫌そうな表情を浮かべた。ふり返り熊のような獣を見た。
こいつ、一丁前に僕を食べようとしてる。……ムカつくな。
少年の手のひらが光り、巨大な鎌が出現した。鎌を回して手に馴染むのを感じた。少年は熊の四肢を切断し、最後に首を狩った。
少年が鎌を振っていると、女性が話しかけてきた。