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相見える

「カイルさん、リルさん、ご無沙汰しておりました…。」

今俺たちが住んでいるゼルダ星群高等教育都市フェルネウスから同星群のとある労働都市へと年の瀬も差し迫った日曜日の今日足を伸ばした。

シンさんからの助言を受け、マチルダに話をしたのがひと月ほど前。

それから、今日のセッティングをして。


「ルー、そちらの方たちの紹介をお願いできるかい?」

カイルさんの言葉に頷いて、妻のマチルダと息子のルビーと答える。

マチルダも合わせて挨拶を交わす。

今回、マチルダに依頼したのは俺の妻役を演じてもらうこと。

そのためにある程度の生い立ちを話して協力を求めた形になる。


「いいよ。ルーには家出帰省の時に周りの人に夫だと名乗ってもらったから。」

お互いにままならない境遇だね、と同情をされた。

あたしが遠山 さくだと露見しないように地味めにしないとね。

そういうわけで今隣にいるのは無難な新妻の様相を呈するマチルダなのだが。


「ルーが結婚…?調査書には書かれていなかったわ。」

あー、やっぱり。この人は探偵を使って居場所を探してきたんだ…。

なんだろう?子離れができてない親の典型例のような。

今の生活を探し出してまでなんで俺を連れ戻そうとするのか全く不愉快でしかない。


「俺は見ての通り、今は新しい家族を持っています。」

それを詮索して何になるというんですか?

激しい怒気を込めた声音にカイルさんは謝罪の言葉をつぶやく。

妻がここまで異常だったとは。

秋口に彼から連絡をもらうまで気付きもしなかった。


「カイルさん、ご無沙汰してます。

今いいですか?」

仕事中、少しぼーっとしていたところに入ってきたメッセージ。

知らないIDからのもので一度は知らんぷりしようと思ったらそれが10年前に姿を消した息子だったのだ。


「積もる話はありますが、リルさんのことでご連絡した次第で。」

そこで初めてリルがルーに対して違法とも取られかねない程に執拗に連絡を取ろうとしていることがわかった。

このままでは妻子まで被害を受けかねないとも。

まず、妻子の有無に驚いて、それ以前に結婚していたことに驚いた。


「…はい、ではその日程で。」

場所はまた、それぞれの中間地点で適当に。

大人になった言葉遣いと声音。

彼の子供時代しか知らないから。

今の彼が幸せならいいと彼を思い出すたびに願ってはいたが。


「今頃、再会した頃だろうか?」

溜め込んでた育英都市トロントでの事件報告書をしたためていく。

彼の困惑した声は初めてだった。

でも、これでお互いに理解を深められたのかな、

遅々として進まない指先を眺めながら独りごちる___,



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