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メール

「…あー、もう日付が変わったのか…。」

昨日は、怒涛の1日だったと1日を振り返る。

マチルダが事件に巻き込まれ、それを解決してこのお店とマチルダの過去を知って…。

話し終える頃には日は暮れかかり、マチルダの知り合いだという篠さんと呼ばれる人が訪ねてきて。

流石にそこからの移動は諦めてこの都市に一泊することとなり。


「それじゃ、朝には捜査本部から戻ってくるから。」

WCC設立以降、大きい事件というのはあまり起こらず、今回のことで水を得た魚の如く帳場が立ってしまったのだというシンさんを送り出した。


「この都市にいる間、マチルダたちはどう過ごしていたんだ?」

彼女等が寝泊まりしていたというお店の簡易の宿泊設備を見て、その部屋は彼女等に譲ることにした。

店舗部分にはイートインにちょっとした畳の小上がりが用意されていて眠るスペースは確保できそうであった。


「少し出てくる。」

パティスリーパッパはほんの少しの賑わいのある商店街の中、アーケード街に存在している。

商店街の中の衣料品店を探すのは容易いことであった。

夏とは言え、そのまま眠るには辛いものがある。


「大きめのブランケットと着替えられるのもはありますか?あれば欲しいのですが…。」

店番をしていたのはその店の息子だという同年代の男。

すぐに求めているものを用意してくれる。

店内を眺めて、双子のモデルだろうか古びたポスターが目に入る。

あぁ、そのポスターですか。お恥ずかしいですが、小さい頃幼なじみとモデルをしたんです。

さくちゃん、引退してからどうしているのか…。


「俺も、同じ遠山 さくのファンなんです。

聖地巡礼しててこの都市に来たんですが、帰りの足を逃して…。」

友人のところに泊まる予定なのでその用意を。

少し仲良くなって、連絡先を交換して店をあとにする。

もちろん、これも彼女のため。

幼なじみにも会いたいかもしれないから。


「明日、お店にいらしてください。

彼女も楽しみにしていますので。」

衣料品店からの戻りにマチルダに遠山 さくの幼なじみの彼の現況を教えた。

そうそう。篠さんの息子さんと衣料品店に来てたモデルのお仕事が最初のお仕事だったの。

会いたいなぁ。でも、ルビーがいるから無理だよね…。


「マチルダが喜んでくれるなら…。」

彼女は新しい引き取り先でマチルダと名付けがなされたこと、その後、未来通知により結婚して家庭を築いて子供を持って。

即席で考えた嘘は伝えている。

…ん?受信メール?発信元は、…浅井 和音___。


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