アルバム
「ホーム、私の今のデータのロードとシステムのダウンロードを。
ダウンロードするシステムは未来project専用家庭型アンドロイド、システム名はや•まだ。」
それと、私のアルバム開けられる?ホームに保存してあるものから順番で。
ホームの返答後、アルバムのイメージが映し出される。
聞きたいことは山ほどあると思うけど、これを見て聞いたあとにしてほしいの。
「うーん、最初はこれかなー。」
映し出されたのは生まれたばかりの日であろう、マチルダの写真。
これは、おかしい…。
未来通知から外れて生まれてきた子どもであれば養育惑星イオネウスに収容されるまでの写真は残されないことになっている。
現に、ルビーの写真だってイオネウスで仮親に提示されるものを除けば俺たちと撮ったものばかり…。
「私が生まれ育ったのは此処から数光年離れた育英都市ダイアログ。
私は未来通知の下に生まれてきた子どもだったの…。」
私の両親は共に、惑星間航行システム、今の銀河電鉄のシステム技師だったの。
ダイアログを拠点にして色々な都市を仕事で巡ってた。
「そして、私が3歳を迎えた春…。」
惑星間航行システムの事故を知らせるニュース記事。
被害者として技師2名との記載がある。
この時までは、今と同じ浅井 マチルダだった…。
私は、このあとの通知で養育惑星イオネウスに収容される予定だったの。
元々、両親とはあまり一緒に過ごしてなくてホームシステムに育てられたようなものだから…。
「だけど、そんな私を通知に逆らって引き取ってくれたのが、和音さんだった。」
お母さんの従兄弟で、その時は労働惑星のホテルでパティシエしてたんだ。
腕のいい人で独立を考えていて、そこに私の居場所と新しい名前をくれたの…。
「パティスリーパッパの看板娘、遠山 和音の娘のさく。」
若いパティシエ姿の和音と見受けられる男と小さい少女の頃のマチルダ…。
どう見ても…。子役から女優になった遠山 さくそのもので…。
イオネウスで居た頃、よくテレビに出ていた天才的な演技力を持つと謳われた実力派の子役。
「…そして、ここでの出会いはもう一つ。」
同級生のお父さんに誘われて、同い年の男の子と芸能界にデビューしたこと。
天界から舞い降りた双子の天使の触れ込みで子供服のモデルが初めてのお仕事だった…。
当時の他の子役にはない容姿と大人しく、頭の回転も速い遠山 さくはここから売れっ子の子役になっていった。
これが外の世界で暮らしてた遠山 さくの記録___




