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事情聴取

「…とりあえず、シンさんに話を合わせて…。」

耳打ちしてきたマチルダは、今、警察の事情聴取を受けるところとなっているが…。

聞き耳を立てているとどうやら、痴話喧嘩の末に赤ん坊を連れて帰郷してきて偶然カフェで会っただけの人に付きまとわれて怖くなって逃げていたことだということにしたらしい。

ありふれた日常と変わらないように口先と表情だけで取り繕っていく。


「…そうなんです。ええ。

逃げてる時に怖くなって息子を守りきれないと思って。

知り合いに息子の保護をお願いして囮になっていた次第でして…。」

その知り合いの篠さんとやらがルーにルビーの居場所を知らせ、とあたかも事実であることとするために捏造をする。

これが、女優遠山 さくの十八番である。

どうやら都合がいいストーリーを作り上げてくれているみたいだ…。

安堵して少し力を抜く。


「先ほども話した通りで非番に娘へのプレゼントを探しに来ていて本件事案に遭遇した次第で…。

通りがかりの公園で篠さんからの情報を受けた彼が息子さんを保護している場面に出くわして。」

保護を手伝って、行方の分からないマチルダのことを聞き及んで。

宇宙警察のシステムにアクセスをしてマチルダさんの現在地を調べまして…。


「…ええと。僕たちはここから離れた育英都市で息子と生活しています。

…些細なことから、妻と喧嘩してしまって言い争いになって…えぇ、息子を連れて家出されてしまって。」

私が、以前篠さんが私たちのホームシステムに連絡を入れたら、警告が出るように設定していて…。

先ほど、篠さんに確認の連絡をしたところホームシステムに連絡をしてくれていたと。

辻褄が合わないこともいとも簡単に嘘だと思われないように修正に入る。


「恋慕の情による犯行だと考えたらまとまりがつく。

申し訳ないが、彼らの個人情報の取り扱いには慎重を期しえもらいたいのと、彼らの聴取書類はこちらで用意させてもらいたい。」

未来Projectの被験者たちが絡んでしまった事件を所轄署に置いておくわけにいかない。

あぁ、これはうちの上司にも頭を下げて回ってもらうしかない。

とりあえず、この場をしのいで煙に巻いて、ルー君にも協力を頼むしかない。

この際、マチルダさんにはルー君に事情説明してもらって…。


「…そうしたら、彼らの聴取は僕の方で。

えぇ、もちろん聴取結果の共有はさせていただくので。」

護送の方、お願いします___。


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