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危険

「…はぁっ。ルビー。ごめん。ごめんね。」

篠さんに危険が迫っているからルビーを隠して置き去りにすること、保護してほしいこと、地図を一気に送りつけた。

これで、ルビーは安全に保護されるだろう。

あのストーカーは私、もとい、遠山 さくを執拗に追いかけ回してる。

そうだとするなら…。ルビーは巻き込まれただけ。

私の身勝手に巻き込まれて危ない思いをするなんてそれだけはダメ。


「これで仮親の契約も終わっちゃうのかな…?」

もっとも、ルーと喧嘩しちゃってみっともなくここに帰ってきちゃって。

ルビーが安全に過ごせる場所からルビーを連れ出してしまったその時点で仮親の資格も何もかも剥奪されていたって仕方ないけれど。

ルビーにもう、会えなくなるのかな…。


「マチルダさんの通信の履歴を辿って、この都市で連絡を取った人物に連絡を取った。

…先程、ルビーの保護と隠して置き去りにしてしまった場所を教えてもらえた。」

先にルビーを保護をする。その後でマチルダさんの端末を探して彼女も保護をする。

ルー君もそのつもりでいいね?

今後の動きについて説明をしても生返事で帰って来る。

この調子でProjectが進んでいたとしたらマチルダさんがここに来たくなるのも納得できる。

きっと、今回家を出た理由に関しても話しても理解してもらえないと対話することですら避けてしまっていたのだろう。


「…あぁ、先程ご連絡した篠崎さん…ですね。

えぇ、そうです。マチルダさんの義理の兄のシンといいます。」

地図を頼りに現地には来てみたものの…。

肝心のルビーの姿が見当たらず。

仕方なく、地図を提供してくれた篠崎さんに連絡を入れる。

マチルダさんに関する情報を得るためにマチルダさんの夫の兄という立ち位置を名乗る。


「彼女、よくその公園でいたずらをして和音さんに叱られたときとか隠れていましたね…。

いつも、遊具の陰に隠れて…。」

今もあるんだとしたら、遊具の陰を探してください。

あのメールは私に向けられたもの。マチルダさんは本当に安全な人に託したと感じているのだとすれば。

ルー君と手分けをして遊具の陰を探す。


「…シンさん、こっち。遊具の下。」

暑い日を遮る、ひんやりとしたドーム状の遊具の中。

ベビーカーに乗せていたタオルケットが寝返りを打っても痛くないくらいのちょうどいい厚さに敷かれている。

短時間でルビーが快適に過ごして、照りつける日射に巻かれることが無いよう対策もして。


「…シンさん、ルビーを一刻も早く病院に。」

とち狂ったことを平気で口に出している。

このプロジェクトに参加するときに、パートナー役とはあらゆる危険な場面でも可能な限り協力していくことが義務であり、助け合わない限り特別な教育プログラムも参加できなくなると説明しているはずだが。

もしかして、マチルダさんにとってはルーが危険なこと、なのか___。






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