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屋上での跳躍

ここは星境高校。

そして、一年生で風紀委員を務める一人の少年は、早速一人の不良少年に目をつけた。

未発達の背丈で挑むは180程ある高身長。

惚れた、腫れただの

更生、転生だの。

思春期男子二人の物語。

「櫻井くん、またここに居たのか。」

放課後の屋上。

その水タンクの上にいる少年に、風紀委員の徳田大輝は声をかけた。

「なんだ。また風紀委員様か。ゴクローサマ。」

櫻井、と言われた少年は横たえていた体を起こし、気怠そうにそう言った。

彼は俗に言う不良という奴である。

そして、これが彼等の日常であった。

「全く…櫻井恒星。君って奴は、またこんな所で。暇なら部活なり家庭学習なりしたらどうだ!」

「はー、いつにも増してうるせぇな。」

うんざりした様にして、恒星は下に降りた。

「あ!漫画なんて、校則違反だ!!」

彼の右手に持っていた月刊誌に大輝は素早く反応する。

それもこれも、全ていつもの事である。

「いつもの事だろ???そもそも不良に校則違反だとか、大輝お前頭固すぎか。」

ぽんっ、と身長の低い彼の頭に月刊誌を軽くぶつける。

「ぬ。取り敢えずこれは没収だ。」

反省しない彼の態度が不服な大輝は恒星から本を取ろうと手を伸ばす。

しかしそれは空を切った。

「ははっ!ほらほらぁ!手が届けば煮るなり焼くなりどーぞ?」

「くっ、このっ、ふっ、ぐぐっ」

両手を伸ばし届く筈のないそれに飛び跳ねる彼は、さながら小動物の様に滑稽だった

それを恒星は可笑しそうにおちょくりながら煽る。

「ぬぬっ、全く…………」大輝はとうとう観念した様に呆れた表情を浮かべる。

「ははは!相変わらずチビだなぁ」

恒星は得意け笑いながら子供を扱うように再びぽんぽんとその頭を叩いた、その時だった。

「隙ありっ!!」

大輝は恒星の隙をつき、もう一度思い切り飛び跳ねる。

「なッ!?」

大輝は意識外だった彼の手から素早く本をひったくった。

一旦諦めた振りをし、油断した瞬間に取り上げる。

大輝の計画は完璧だった。

「ッうわ!」

彼が勢いのあまりバランスを崩すまでは。

【ドサッ】

2つの影が折り重なって地面に重なる。

「いてててて」

「すまん。少し乱暴過ぎた。」

「……ッ!?ダイキ!お前早くそこどけよ!」

「す、すまん!」

恒星を押し倒す形で倒れてしまった大輝は、慌てて彼の体から退く。

「はぁ……ったく、ホントにワーホリつーかなんつーか……。」

恒星は毎日30分かけてワックスで固めた髪を気にしながら立ち上がると、制服に着いた汚れを払った。

「ほ、本当に済まない……」

それを申し訳無さそうに見る大輝は、今にも土下座でもしそうな勢いだった。

「あぁ!!もう!気にすんな!!どうって事ねーよ!」

ほら、とっとと帰んぞ。と、恒星はバツの悪そうに顔を背け、大輝の腕を掴んだ。

「すまん、怪我をさせる所だった。」

「だから、気にすんなって。俺ヤンキーだぜ?怪我なんて日常茶飯事なんだよ。」

「うぅ、この借りは必ず返す。」

「……なんか、嫌だなその言い方。」

そうこう言いながら、校門を出る2人。

そこまでが、彼等の日常だった。


続く

読んでくださりありがとうございました。

このサイトでは初投稿で、慣れない点至らない点ございますが、お願いします(?)

連載物とか、途中で頓挫しないように頑張ります

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