君との距離で、向かい風でも
君の風を受けながら僕はすすんでゆく
ちょうどすれ違う小学生たちがはしゃぎながら走っていく
何を言っていたか聞き取ることもできず
ただ、ほほえましい光景
信号が青から黄色へと変わる瞬間に
君の長い髪が一瞬
光の束に触れてまぶしかった
一列ですすむ僕たちは
それほどの会話もできなくて
いつもの車のデートとは勝手が違っていた
わがままな性格だったら
もうこんな遠くまでは
とても来れない距離を僕たちはすすむ
これだけの風を感じることができるのは
単なる君といることだけではないと思う
次の信号が進めに変わる瞬間
僕は君の背中につぶやいた
「君が好きだ・・・」
君は一瞬うしろを振り向きかけて
首をかしげながら
それでも力強くペダルを踏みこんでいく
となりに並んでは会話をしたいなと思いつつ
君がときおり見せる笑顔と
僕を少しだけ気にかけてくれる気持ちを
いま僕は感じているから
向かい風であっても
僕は君のそばで
とびっきりの笑顔で
自転車をこいでゆく