進化したが
{・・・ぃ}
あと少し寝させくれ
{・・おい!}
分かったよ、起きればいいんだろ。
目を開けるとそこは、さっき迄のおもしろ真っ白空間ではない。
「知っている天井だ」
見慣れた洞窟だった。
あれ、俺なんでこんなところに?
{おいおい、まだ寝ぼけているのかい?}
{君は死んでドラゴンになったんだろ}
あ、そうだった、俺ドラゴンになったんだった。
そして確か変な空間に来て変な水晶玉に触って気を失ったんだった。
{全く、しっかりしてくれよ}
わりぃ、わりぃ、は、は、は。
てか、誰!?
俺はいったい誰と会話してるんだ。
辺りに目をやるが誰かかがいるような気配はない。
世にも○○な物語のテーマが流れてそうな展開になった。
{遅くないかい? まぁ、正確には会話してるんだじゃなくて君の頭の中でもに直接話してるてっやつさ}
確かに頭から直接聞こえてくる感じるがするぞ。
スゲー! じゃなくて質問に答えろ、誰なんだよ。
{その質問に答えてあげようにも、僕という存在を定義付ける概念的内容や名称がないからなー、しいて言うなら水晶玉に宿っていたスキルと言うべきかな。}
頭の中から声に何を返そうかと思っていたら。
{好きに呼んでくれていいよ}
そうかい!
じゃあ、玉に宿っていた魂だから
「たまたま」なんてどうよ!
{却下だ!その悪意のある名前は認めない}
{まあ、僕の名前は後々一緒に考えるとして君はこの状況を先にどうにかした方がいいだろう}
俺の考えたユーモアとフィットに飛んだ名前を否定された後、謎の声は言ってくる。
この状況?頭から怪しい声が聞こえてくる以外に?
{失礼だな!君のことを考えてあげてる心優しい声のことじゃあなくて君の前のそいつらのことだよ}
そいつら?
声に促されて起きつつ目を向けると二つの玉のようなものがある。
いや、正確には玉と言うのは語弊があるだろう。
それは、ゆらゆらと不定形に揺れながらも荘厳さがあり圧倒的な存在感を放っていた。
一つは、光を放ちながら白く煌めく物、もう一つは、全てを飲み込むかのような漆黒
俺はその自分が矮小にも感じられる謎の物体に目が離せなくなっていた。
「それは、器と魂だけの存在だよ。いや、まだ存在を認められてないからなにものでもないね。」
何を言ってるんだ、哲学的なことか。
{違うよ}
{仕方ない、可哀想な君のために慈愛に満ちた僕が教えてあげるよ}
こいつ、余程さっきのこと根に持っていやがる。
{君はついさっき迄いた所でおかしな空間にいただろう}
{あそこは、大量の魔力によって生まれた次元の狭間だよ。そこにあった魔力の塊に触れたことで君の体はその魔力量に耐え切れず崩壊していった}
球が語るのは気を失う前に俺に起きたことだった。
あの玉そんなに危険な物だったのか・・・
ていうか、マジで魔力なんて言うものがあるのか。
俺が自分の行動の無鉄砲さに恐怖を感じながらも、魔法の存在への興奮を感じてると。
{その魔力の塊に存在していた僕という意思が君にスキルとして宿った。その後、君の崩壊を止める為に君にその場にあった魔力を使って進化を促したわけ}
{だから、君が今も生きてるのは僕のおかげという。だから、ぼくに感謝して欲しいな}
なんと、このヘンテコな声のお陰で俺は生きているだと。
{君、いい加減怒るよ}
冗談だよ。ありがとよ。
{わかればいいんだ}
何とか声の機嫌を直しつつ大事なことを聞く
俺って進化したの?
{うん、そうだよ}
俺の質問に対して子供をあやすかの様に返す。
俺は興奮を抑えられずすぐさま自分に対して鑑定を発動する。
名前 設定して下さい
種族 闇光竜
ランク:伝説
スキル
『闇魔法』
『光魔法』
『エクリプスブレス』
ユニークスキル
『鑑定』
『異世界言語』
『■■■』
称号
『異世界転生者』
『■■■■■』
驚きすぎて時が止まったかの様に感じた。
いきなり、伝説になってるし、魔法使えるようになってるし、闇と光だし。
異世界に来たばっかりのこ頃は、神はいないことを確信したもんだが、早計だったようだ。
ありがとう神様! ビバ異世界!
俺が脳内で異世界有頂天センセーション祭りを開催いていると再び声が話しかけてくる。
{浮かれている君にいいものを見せてあげる}
声がした後に、イメージが俺の中に浮かび上がる
{これ、今の君の体だよ。ぷぷっ!僕はいいと思うよ前衛的で!}
お前そんなこと出来るのか。
声の小馬鹿にしたような感じにイラついたがイメージに集中する。
イメージの中には俺が一回り大きくなったぐらいのドラゴンがいた。
正中線状で白と黒が分かれている。
えっ!ダサくない。
急に頭が冷え俺の中の祭りが終わり、神様の存在が不確実になった。