知らない物には要注意
グロウワームを倒した後、俺はまず、最初に自分の姿を確認した水溜まりに戻って来た。
そして、勢い良く顔を水溜まりに突っ込んだ。
「ガラガラ ぺっ!」
「ガラガラ ぺっ!」
そして数十回ほど、うがいをする事になった。
水溜まりでうがいするなんて汚いだって。
そんなことより、芋虫汁が口の中にあることの方が耐えられなかった。
このくらいで、大丈夫だろう。
念入りに口の中を濯いだ俺はまた、洞窟内の探検を再開した。
今度は、グロウワームへ接触しないように、慎重に進んだ。
それからは、グロウワームを見つけることもなく順調に探索をし続けていたのだが。
なんだ、こりゃ?
探索を再開して数時間、おかしな物を発見した。
それは、どう例えたらいいのだろうか。
空間が歪んでいるのだ。
明らかに、ヤバそうな奴だよな。
取り敢えず俺は、その歪んでいる空間に近くにあった石ころを投げみた。
すると、石ころはその空間に吸い込まれるようにして消えた。
これは、あれだろうか?
ワープゲート的な奴だろうか?
どうするよ。飛び込んでみるか?
いや、いや、いや。明らかにヤバイだろう!何処に繋がっているかもわからないんだぞ!
だが、この先は特に何もないぞ。あとは、また引き返すだけだぞ?
そんなことを脳内会議で、話あった結果。
よし、いくか!
好奇心が勝利した。
不用心過ぎるだって?
こんな、転生やらなんやらで脳から違法的な脳内物質的なものが出ておかしくなっているのだろう。
取り敢えず、手だけ突っ込んでみるか。
ほんとに、大丈夫だろうか?
そんな、不安と格闘しながら恐る恐る、その空間に手を伸ばした。
大丈夫そうだ。何ともない。
特に何が起こる訳でもなく、だが、確かに自分の手がどこか、別の空間にあることは分かる。
取り敢えず、最低限の安全は確保できたのを確め次は、体ごと突っ込むことにした。
ぐだぐだ考えても仕方がない!
男は度胸、どうにでもなれだ!
南無三!
そして俺は空間の中に吸い込まれた。
何処だ、ここ?
歪んだ空間の先に有ったのは、何も無い白空間だった。
いや、何も無いってのは、間違いだな。
目の前には、あるものが宙に浮いてい。
これは、水晶玉か?
目の前には、透き通った水晶玉が宙に浮いていた。
よく考えれば、明らかに怪しい物だったが、俺は吸い込まれるに水晶玉に触れていた。
すると、目の前の水晶玉が急に発光しだした。
それを、合図にしたように俺の体から激痛が走った。
それは、体中を幾つもの刃物で刺されているかと錯覚してしまうような痛みだ。
痛て!痛て!痛て!
死ぬ!
体中から走る痛み呼吸する事も出来ず、永遠とも思える時間の中急に頭の中から声がしている。
『進化するんだ』
痛みからの幻聴かと思ったがどうでもいい!
進化すればこの痛みがなくなるのか!
進化ってどうすればいいんだ!
『強く思うんだ』
早く進化しやがれ!死んじまう!
【進化を開始します】
その声が小さく頭の中で聞こえた気がしたが、そこで俺は気を失った。