初戦闘と初○○○
皆さん、お元気ですか。
ここで、質問です。
あなたの目の前に自分と同じサイズの芋虫がいます。
あなたはどうしますか?
ぎぃぃゃゃゃゃゃーーー!!
叫びました。
一休みしたあと、洞窟を探索し始めて数時間たった頃だろうか。
洞窟内部は意外と広く、幾つもの分かれ道や小さい穴があり、行き止まりも多く、戻って別のルートを進むことを繰り返していた。すると、先の方から微かにだが物音がした。俺は、用心深く先えを進むと、そいつが現れた。
言うなれば、四十センチぐらいのカブトムシの幼虫だ。
気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い
気持ち悪い、気持ち悪い、気持ち悪い
子供の頃は虫を見つけては、捕まえたりしていたが、いつしか虫を気持ち悪いと思い始めてしまうあれは何なのだろう。
いや、子供の頃に見ていても普通に泣き出すレベルだ。
だって、あのブニブニが自分と同じサイズなんだぞ。
気持ち悪過ぎるだろ!
観察してみると、あいつ、壁を食ってやがる。
そうか!やけに分かれ道や穴があると思ったらあいつの仕業か。
取り敢えず鑑定してみるか。
種族:グロウワーム
ランク:下位
スキル
『噛みつく』
『突進』
グロウワーム:成長すると2メートルに達する巨大な芋虫。
地面や洞窟などに生息し普段、土や岩を食べるが生物を食べることもある雑食。成熟すると地表に出てきて、大量のエネルギーを得るために辺りの植物や近くの村を襲う。
ヤベー奴だな。
今すぐ逃げねーと!
ゴトッ!
やべ!音立てちまった!
あー、こっち向いてますね。
ビッュューーー!
芋虫って鳴くんだな。
そんなこと言ってる場合じゃない。
逃げろーー!!
直ぐに回れ右して走りだした。
クソッ!追ってきやがる!全然差ができねー!
俺が遅すぎる!
歩幅が小さすぎ!
やっぱりドラゴン転生なんてクソゲーだ!
そこからの、鬼ごっこは直ぐに終わりを迎えた。
目の前には壁。
しまった!こっちは行き止まりかよ!
どうする?もうあいつはすぐそこだ!
こうなりゃヤケだ!覚悟を決めろ、俺!
若干投げやりになりつつ戦う覚悟を決めた俺は、再び奴に目を向けた。
気持ち悪りーな
さて、まずはこいつの動きを見てみるか。
グロウワームはこっちに向かって突進してきた。
まぁ、それぐらいしかできねーよな。そこからの
俺は、それを避けると後ろから火の粉をかましてやった
ビィュューーー!
どうだ!ちった効いたか!
グロウワームを見ると所々皮膚が黒ずんで気持ちの悪い臭いをかすかに漂わせている。
初めて嗅ぐ虫の焼ける臭いにテンションが下がらせていると、虫野郎はこっちを振り返りもう一度、こっちへ突進してきた。
さっきのより動きが速えっ!
ギリギリで避けきれたが、相手の懐に入らないと攻撃できないが、懐に入りすぎるとあいつの突進を避けきれないな。
グロウワームは止まりきれず壁に突撃していった。
馬鹿がっ!自滅しやがった!
死んだか?
あっ!これダメなやつだわ。
案の定、グロウワームはまたこっちを振り返った。
その口には大きめの石がくわえられていた。
ヤツは、そのまま挟んだ。
あの顎に鋏まれたらアウトだな。
どうしたらいいんだ。奴には少しの『火の粉』じゃあ有効打にならず、しっかり当てるにしても、突進や顎に鋏まれて終わり。
積んでね?
いや、あるには、あるんだよ。奴を倒す『方法』は。
しかし、その『方法』は、あまりとりたくない。
そんな俺をグロウワームは待ってくれず、再度、突進を仕掛けて来た。
やればいいんだろ!やれば!
まずは、ヤツの突進を避けて、がら空きになった腹に、『あれ』を繰り出した。
俺にも奴にもあるあの『スキル』
『噛みつく』
ブチューー!
ビィィッュューーー!
噛みついた瞬間、奴を噛んだ感触と緑色の血が口の中を殴りつけた。
うぇェェー~。
気持ち悪い。
今すぐ離したい。そして5時間ぐらい歯磨きしたい。
そんな俺の願いを無視して、奴は俺を引き剥がすために暴れ回った。
クソッ!暴れるんじゃねー!
そこからは、数十秒位だろうか俺は死んでも離さないように、さらに噛み力を強め、グロウワームは壁から壁えと突進を繰り返していたが、徐々にに抵抗する力が弱くなってきた。そこで更に顎に力を加えたら奴の肉を噛み千切れた。
ピュィィーー
グロウワームはそこから少しのたうち回り力尽きた。
ぺっ!ぺっ!
ウオェーー!
少し飲んじまった。
これが俺の異世界での初戦闘で、人だった時も合わせての初めての昆虫食だった。