ドラゴンになりました。
「(はっ!、 なんだ、夢か。)」
目を覚ましつつ、あまりにもリアルな夢に驚いていた。
確かに、トラックに跳ねられた感触は残ってるんだけどな?
まぁ、いいや。
それにしてもここは、やけに暗いな。
というか、ここは何処だ?
やべぇ、今何時なんだ?
俺は、辺りの状況を確認するため手を動かそうとした。
あれ?
あれ?
手足が全然動かねー!!
手足を動かそうとしても、四方を壁のようなものに阻まれて思うように動かせない。
どうやら俺は何か狭い箱のような物ものの中に入れられてしまったようだ。
急に恐怖という名の感情が俺の中で爆発した。
恐い
恐い
恐い
一体、何故俺はこんな状況に陥っているんだ!
どうにか、この箱を壊せないか考え一心不乱に手足をバタつかせてると
ピキッ ピキッ ピキッ
そんな割れるような音がし箱に罅が入り、その隙間から僅かだが光が漏れでた
やけに脆い箱だなと思いつつもさらに手足をバタつかせていると
パキ パキ パキリ
はあー、ようやく箱から出ることができた。
それにしても外から見るとデカくて変な形の箱だな。
まるで卵みたいだ。
まぁ、そんなことはどうでもいい
それよりも大切なことは、
ここは、何処だーー!!
そう俺は、薄暗い洞窟と思われる場所にいるということだ。
落ち着け、落ち着くんだ俺。
落ち着いて状況を整理してみよう
1 会社からの帰り道、酔ったOLを助けて死ぬ夢をみた。
2 起きたら卵みたいな、箱?に閉じ込められていた。
3 箱?から出たら、洞窟でした。
うん
why
まったく意味が分からん。
どうやったら帰れる。
というか、ここは何処だ?
何故俺はこんなところにいるんだ?
だから落ち着けって俺!!
慌てても何も良いことはない
まずは今、この状況を把握する事が大切だ!
よし、落ち着いてきたぞ
そうと決まれば、少し辺りを見て回ろう
よいしょ
あれ? 俺って四足歩行だっけ?
あれ? 俺ってこんな手してたっけ?
あれ? 俺ってこんなに視点低かったけ?
あれ? 俺って肌の色、緑だったけ?
次から次へと様々な疑問が沸き上がり、俺の中で一つの答えが導き出された。
それは、宇宙創造ビックバンを超えるやも知れぬ衝撃を伴いながら。
俺、人間やめてね?
それから少し時間が経ち、俺は洞窟内を探索し始めた。
四足歩行なんて、赤ん坊の頃以来の経験だが、自然と違和感はなかった。
そして俺はある程度した頃、水溜まりを発見し、そこに映った自分の姿に驚愕した。
ダレコレ?
あまりの驚きについついカタコトになってしまうくらいだ。
皮膚には鱗のようなものが付き、全身緑、手足が短く、目は猫や爬虫類のように瞳孔が縦に長い、そして歯や爪は鋭く尖っていておまけに頭には小さい角の様なものが2つある。
そして極めつけは、小さいながらもハッキリとした翼が背中にある。
これが・・・ 私
じゃない!
本当にこれが俺なのか。
この姿が、本当に俺なのか。
これじゃ、まるで・・・
俺は、今の自分の姿が信じられず、たが、今の自分の姿がどう見えるかについて、心当たりがある。
それは、お伽噺や伝承、聖書や神話、はたまた現代のファンタジーで頻繁に登場する架空で強大な存在。
これじゃ、まるで・・・
ドラゴン・・・ なのか?