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夏過
こんなに暑い晴れた日の
山と空が好きなのは
三年前にあなたと見た
あの街の景色に似ているから
何度目の夏が過ぎただろう
何度でも夏は行くだろう
汗ばむ指先を絡めて
焼き付けた景色も
染みついた匂いも
忘れてしまいそうで
どんなに晴れた青い空も
海も道も虚しいのは
何年経ってもあなたが
あの街に居ると思っているから
何度目の夏が来ただろう
何度でも夏は来るだろう
舗装路に揺れる陽炎
滲ませた想いも
涙目の囁きも
遠ざかってしまって
何度目の夏が過ぎただろう
何度でも夏は行くだろう




