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泥と沼
手足が弱ってくのを 感じながら
零れ落ちる言葉さえ 止められずに
朝も夜も 沈みながら 劣等感 振りかざしても
昨日から 抜け出して 優越感 呟いても
ただひとつ どんな泥も沼も
いつか乾きの光がさして
干からびて消えてゆくの
どんな泥も沼も
視界がひび割れてゆくのを ぼんやり見ていた
遠ざかってゆく明日を 振りほどいて
腐り果てた 不安の海に 罪悪感 浮かべながら
汚れきった 誹謗の砂に 疲れ 喘ぎながら
ただひとつ こんな泥と沼が
いつも温かな嘘に満ちて
包み込んでくれるわけない
こんな泥と沼が
あなたの吐いた 嫌 が
あたしの持つ 同じ嫌を
恥じることさえ許さない
あなたに見えた 嫌 が
あたしの持つ 同じ嫌の
生きる理由さえ抉ってゆく
もう、あたしは行かなくちゃ
あなたの叫ぶ 嫌 が
誰かの持つ 同じ嫌を
膨らませて揺るがない
あなたの受けた 嫌 が
あたしの知る 同じ嫌を
抱えることさえ許さない
もう、あたしは行かなくちゃ




