58/167
憂鬱の街
手のひらを流れる
味気ない言葉たち
たかが電気の一粒を
形にして目に見せて
無理なら無理って
ちゃんと言うから
指先をすり抜ける
優しげな言葉たち
たかが電気の為にと
老い人は言うけれど
無理だけはしないって
約束するから
憂鬱が空に広がる
四角い街角の
慌ただしい人を包む
憂鬱が空を染める
四角い画面を
見つめる人が笑う
無理なら無理って
ちゃんと言ってね
夕立が夜を誘う
四角い毎日が
過ぎ去ってゆくのを見て
夕立は夜を連れて
四角い箱庭の
片隅で今日も踊る
憂鬱が僕に広がる
四角い恋心を
色褪せてなお包む
憂鬱が僕を染める
四角い追憶の
答えの中にいつも




