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真昼の海
あれから随分経ったみたいで
やっと次の夏が すぐそこに
胸の中を埋める からっぽの面影
僕は君を 忘れないだろう
真昼の海 砂浜に陽炎
走る人も 泳ぐ人も居ない
記憶をたどってみても
誰も居ない 今だけは
あれだけ後悔しないと思っても
やっと次の穴が ふさがってきて
左手をすり抜ける 残り香の感触
君は僕を 忘れたのだろう
真昼の海 長い髪と黒い服
歌うことも 笑うこともない
言葉を紡いでみても
届かない もう今は
時間と心は 戻せないから悲しくて
悲しみと痛みは 癒せないから怖くて
失くしたものにも すぐに気付けない
真昼の海に 沈むまでは 潮のように
血のように
真昼の海 その果ての果て
辿り着くことも 巡り会うこともない
真昼の海 長い髪と黒い服
歌うことも 笑うこともない
真昼の海 砂浜に陽炎
走る人も 泳ぐ人も居ない
記憶をたどってみても
誰も居ない 今だけは




