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余韻
隣に居るのは 面影だけ
残ったのは あれほど嫌ってた
たばこのにおいだけ
あの忌まわしい煙でさえ
あなたの内側に
容易く滑りこんで虜にする
消えてしまいたいのは あたしのほう
抱いていたのは 偽りだけ
得られたものは あれほど焦がれていた
想いのむくろだけ
あの汚れた時間の中で
あなたの内側に
傷跡一つ残せなかったから
溶けてしまいたいのは あたしだけ
素肌から失せていく
温もりを追いかけて
電話が繋ぐ 今日もあなたへ
ぬぐえない どこからも
ぬぐい去ってしまうなんて
あたしを犯すのは まぼろしだけ
宿ったのは あれほど求め続けた
あなたの残滓だけ
残ったのは あれほど嫌ってた
たばこのにおいだけ




