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吹雪
芽生えかけた気持ちを
置き去りにして進んだ
真っ白になって何にも
見えなくなったこの道
急いで走って駆け抜けた夜を
今更振り向いても
何も見えなくなったこの道は
吹雪でかき消されてゆく
取り戻したかったのは
置き去りの恋心だけか
真っ白なままで何にも
知らなかったあの子も
急いで走って振り切った恋に
今更手を伸ばしても
何にも知らなかったあの子は
吹雪の中に消えていった
やり場のない記憶ばかりが
降り積もっていくだけでも
この吹雪が止んだ時に
走ることをやめようと
思い続けて息を切らしている
急いで走って駆け抜けた夜を
今更振り向いても
急いで走って振り切った恋に
今更手を伸ばしても
真っ白な雪の夜に
吹雪の向こう側に
かき消されて埋もれてくだけ




