↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR

流れ星の

作者: 雪つむじ
掲載日:2015/09/01

「ねぇ、知ってる?流れ星に願いをかけると叶うんだって」

そんな願い事を、誰が信じるものか。

子供だましの話も良い所だと、笑い飛ばしたのが昨日のこと。

そして、その話をしてきたのは、街角に開かれた協会のフェスティバルでの事。

イベントの主催者、出し物で賑わう路地。

そこすら、わずかな明かりを頼って暮らす人の、細やかな願いの場。

空を見上げれば、星は見えない。

暗い路地裏の周りは明るすぎて。

きっと星は、とうに無い。


「あなたの願い事は、何ですか?」

街角で聞かれたその言葉。

怪しい宗教の勧誘以外の何者でもない言葉。

「逆に聞こう。そう聞いているあなたの願いは何?」

ずいっと。

近寄って、聞く。

すっと。

離れていって。

「みんなの願いが叶うこと」

そう言って、フフッと笑いながら、暗い路地裏へと走っていく。

幻?


協会のカーニバルの日。

TVのニュースが、外出は控えるように、と、しきりに流す。

「ねぇ、知ってる?流れ星に願いをかけると叶うんだって」

道行く人々が、しきりにそんなことを口にする。

まるで、流行り病のように。

衛星ラヂオがノイズ交じりに、建物の中に入るように、と。

夜になる毎、警告をする。

空が、青く光る。


真っ白な空に、何条もの光。

大きい光。

小さい光。

流れるたびに、歓声が起きる。

神様の力?

カーニバルの日だからって、そんなまさか。

みんなが一斉に、空を見上げて。

手を握って。

期待に輝いた目を、見開いて。

つむる。


翌日の朝。

いつもよりも、静かな朝。

町の中心に、焼け焦げた金属。

通行規制のテープ。

防護服を着た、人。

辺り一面の建物は、煤と、灰と、穴だらけ。

手を握ったまま、まるで、石で作られた像のように。

願い事を。


「ねぇ、知ってる?流れ星に願いをかけると叶うんだって」

知ってる。

それが、残酷だってことも。

ふと思って、こんなものを。

カテゴリーはどちらでしょうか。


ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。