流れ星の
「ねぇ、知ってる?流れ星に願いをかけると叶うんだって」
そんな願い事を、誰が信じるものか。
子供だましの話も良い所だと、笑い飛ばしたのが昨日のこと。
そして、その話をしてきたのは、街角に開かれた協会のフェスティバルでの事。
イベントの主催者、出し物で賑わう路地。
そこすら、わずかな明かりを頼って暮らす人の、細やかな願いの場。
空を見上げれば、星は見えない。
暗い路地裏の周りは明るすぎて。
きっと星は、とうに無い。
「あなたの願い事は、何ですか?」
街角で聞かれたその言葉。
怪しい宗教の勧誘以外の何者でもない言葉。
「逆に聞こう。そう聞いているあなたの願いは何?」
ずいっと。
近寄って、聞く。
すっと。
離れていって。
「みんなの願いが叶うこと」
そう言って、フフッと笑いながら、暗い路地裏へと走っていく。
幻?
協会のカーニバルの日。
TVのニュースが、外出は控えるように、と、しきりに流す。
「ねぇ、知ってる?流れ星に願いをかけると叶うんだって」
道行く人々が、しきりにそんなことを口にする。
まるで、流行り病のように。
衛星ラヂオがノイズ交じりに、建物の中に入るように、と。
夜になる毎、警告をする。
空が、青く光る。
真っ白な空に、何条もの光。
大きい光。
小さい光。
流れるたびに、歓声が起きる。
神様の力?
カーニバルの日だからって、そんなまさか。
みんなが一斉に、空を見上げて。
手を握って。
期待に輝いた目を、見開いて。
つむる。
翌日の朝。
いつもよりも、静かな朝。
町の中心に、焼け焦げた金属。
通行規制のテープ。
防護服を着た、人。
辺り一面の建物は、煤と、灰と、穴だらけ。
手を握ったまま、まるで、石で作られた像のように。
願い事を。
「ねぇ、知ってる?流れ星に願いをかけると叶うんだって」
知ってる。
それが、残酷だってことも。
ふと思って、こんなものを。
カテゴリーはどちらでしょうか。
ありがとうございました。




