第二話 期待と眠り
みじけぇ
応募の結果が出た。
終夜はこれほど神様に感謝することは二度とないだろう
というくらい神様に感謝した。
ベータテスター2000人の中に見事選ばれたのだ。おそらく
応募の総数は十万近くいっただろう。そんな名門大学受験
よりも過酷な倍率を乗り越えた終夜はベットの上で身悶えていた。
「、、きた。きた!!これでただでゲーム機が手に入るだけでなく
一番の期待のゲームが誰よりも早くプレイできる!」
普段からテンションが低い彼の姿を知っているものが見れば
間違いなく本人かどうか疑うであろう姿である。
「テスト期間は二週間、機体とソフトがセットで届くのか。
ソフトは一度回収し、製品版が後で届くと」
テスト開始は三週間後の年明けすぐ、機体の発売日が二月二十六日
だからおそらくその日に製品版が届くであろう。
「テスト中は学校が休み、この期間中にやりこんで他のやつらを
出し抜いてやる!!」
決意を固める終夜、その姿は甲子園に向けて燃える球児たちと
比べても一切劣らない。、、理由は劣りまくっているが。
「早く、早くハードとソフトを俺の手に!!」
____3週間後____
キターーーーーーーーーーーーーー!!
夜が明けてすぐに響いたこの声。もちろん終夜の声である。
「きた、これでやっと、やっと
ゲームが出来る!!」
終夜はなぜかこれが届くまでゲームを縛っていたのである。(
ほんとになんで)
「起動方法は、ヘルメット形の本体を被ってって、こうか?」
説明書を読みながら手探りで設定していく。
「楽な姿勢で起動コマンドを言うって、口に出せと」
少し恥ずかしく思うがそんなことよりゲームがしたい。
ベットで横たわりながら起動コマンドとソフトが入っていること
を確認する。
「『スリープ』」
少しだけの浮遊感の後、意識が消える間際に終夜はこんなことを
思った。
____ゲームの始まりだ!!____