第4話
目覚めたのは、ベッドの上だった・・・。
「おい、お前大丈夫か?」
黒い妖精の声が聞こえた。
ぼぉっとした意識の中で、起き上がった。
「ご主人さま、しっかり!」
タッグの声で、完全に目が覚めた。
「頭が、クラクラする・・・。」
こもり気味の声で答える。
「急に倒れたから、びっくりしたけど・・・。お前、カコキュウだったんだな・・・。」
黒い妖精が言った。
「そいつは、やっかいだな・・・。」
タッグの言葉に、うなずく私。
「カコキュウかぁ・・・。それじゃぁ、いつなるかわかんないから確かにやっかいかも・・・。」
と返す。
「・・・。ちょっと待てよ!お前、何で知ってるんだ?」
そう言われてみれば、そうである。
「何でだろう・・・。」
結局答えは出なかった。
けれど、その日私は、何かとても大切なことを忘れている気がしてならなかった・・・。
不思議なことは、それから毎日の事として起こるようになった。
私は知らないはずなのに・・・。
知っている。全てを・・・。
ただ、思い出せないのは、名前だけ・・・。
そういえば最近、不思議な夢を見るようになった。
それまでは、夢なんて見たことがなかったのに・・・。
その夢の内容は、いつも決まっていた。
泣き叫ぶ人々。燃え盛る炎・・・。
親を亡くした子供たち。
そして、自分に向けられている、殺意の視線・・・。
その光景が過ぎ去ると、次には少女の叫び声が聞こえてくる。
「お前が“愛”を知ったから、私たちの世界は闇に染まった!お前なんか、お前なんか消えてしまえ!!」
そして、いつもそこで目覚めるのだった・・・。