第3話
ガチャ・・・。ガチャガチャ・・・。
扉はいっこうに開かない。
その時、突然話し声が聞こえた。
「あ〜あ、鍵閉められちゃったねぇ。」
「ってか、扉の存在も知らないなんて変なヤツ。」
どうやら、さっきの老婆が置いていった本のほうから聞こえているみたいだった。
私は、恐る恐る振り返ったするとそこには・・・。
「な、何なの?」
ビックリして叫ぶ。
「ハロー俺はタッグ。よろしくご主人。」
と、白い帽子をかぶった変なヤツが言った。
「え?!この変なオンナが新しい主人かよ・・・。ばあさんも人使いあらいなぁ・・・。」
タッグと名乗った変なのの横にいた黒いのが言った。
「変なオンナとは、失礼しちゃう!」
私は反論した。
すると黒いのが言った。
「俺たちのことや扉のことを知らないなんて変なオンナ以外の何者でもないじゃん?」
図星をつれたが、ひるむつもりはなかった。
「なっなによ、あんたたちのほうが変じゃない!!髪も長くなければ、目も黒いし・・・。それに・・・」
私が言い終わる前に黒い方が舌打ちした。
「お前、やっぱり変なやつだな・・・。妖精ってやつは髪がながくねぇの!それに、俺たちはオトコなんだから髪はのばさねぇの!!」
私は何がなんだか解からなくて混乱した。
「妖精ってなに?オトコって?」
黒いのはため息を吐いた。
「ばぁさんが、俺らをお前に預けた理由がわかったきがするよ・・・。」
そう言って黒いのは大きな本を取り出した。
「お前文字ぐらいは読めるよなぁ?」
といって疑わしそうに私を見る。
反論したいけど、私には反論する言葉すらなかった。
「私、物心ついたときにはここにいて・・・。
だから、何にも知らない・・・。」
そう言ってあふれ出てくる涙を手で覆いながら、泣き崩れてしまった。
「おい!泣くことないだろ・・・。勘弁してくれよ・・・。」
黒い妖精は分が悪そうに、頭をかきながら言った。
「お前がそんなヤツだったって知らなかったんだ・・・。わ、悪気なんてなかったから・・・。」
それでも私は泣き続けた。
みんなと違う・・・。
そう考えると、急に胸が苦しくなった。
うまく息が出来ない。
鼓動もだんだん早くなっているのを感じる。
「た・・・すけ・・・て・・・」
声にならない・・・。
遠くのほうにかすかに声が聞こえる。
遠のく意識の中で私が覚えているのは、白いのと黒いのの必死な叫び声だけ・・・。