見える者見えない者
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「こっこれは!ぬ、ぬいぐるみ!間違えてつけちゃったの!」
そう言いながら慌ててマフはゴンザレスをカバンに入れる。
「あっ、そうなんだ」
そういうと、シホはじゃあ行こうか、と言って身体の方向を変える。
「あっ!ま、まって!忘れ物思い出した!ちょっと取ってくるよ!」
そう言いながらマフは家の中に入る。
マフは先程カバンに投げ込んだゴンザレスを出し問い詰める。
「なによ!見えてるじゃん!」
「いやーこんなにすぐ見えるひとと会うなんてね…」
ゴンザレスは頭らしき所をポリポリ掻きながら、困った顔をしている。
「実は言ってなかったんだけど、一定の人には見えるんだ僕達魔法動物が。」
「なんでそんな大事なことすぐ言わなかったの!?一定ってなに!?」
「まぁまぁ、実際君もその一定の人の1人だから僕が見えてるのさ。」
ゴンザレスは不敵な笑みを溢す
「魔法少女か魔法少女の素質がある人には見えるんだよ」
「素質?素質って?」
マフはイライラとした顔でゴンザレスに聞く。
しかしゴンザレスは、
「そんなことより、友達待たしてるよ?いいの?こんな呑気に話しててさ」
と聞いてくる。
マフはそうだった!慌ててドアを開け、ゴンザレスを下駄箱において、外に出る。
シホは暇そうに爪をいじって待っていた。
「あ、もう取ってきたの?」
こちらに気づくと、シホは顔を上げる。
シホの声にマフは何も言わずに大きく頷く。
2人は駅に向かって歩き始めた。
今日はどんより空が曇っていて、カバンに入っている紫陽花柄の折り畳み傘を使うかもしれない。
2人は他愛のはない話をしながら、駅前に着く。
マフとシホは学校が違く、マフは都内で一番の名門校と言っても過言ではない私立高校だ。
シホはマフの高校の更に先にある公立の高校。なかなか人数の多いマンモス校である。
駅のホームから電車に乗り込む。
通勤ラッシュに被らないようにしているとはいえ、帰りのようには空いておらず、椅子には座れなさそうだ。
2人は吊り革に掴まり、シホはスマホをカバンから出しに手に取る。
マフはぼーっと横を見る。
近くの席にはマフと同じ学校の制服を着た女生徒が3人座りコソコソと1人のスマホを覗き込み、楽しそうに話している。
いつも登校だ。
昨日のことがなかったかのような日常に戻れてしまった。
マフの頭の中はこれでいいこれでいいのだろうかという疑念でいっぱいだった。
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