遭遇
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ひんやりとした病室の中に張り詰めた空気が流れている。
「どうしてレインがいるの?」レインの名を呼んだのは、白色の服にの白のラインが入った黒色の襟がついているセーラー服。
頭にベレー帽を被ったマフにとってよく知る少女。
シホだ。
「えー?なんでシホいんのー?」
どうやらシホとレインは面識があるらしい。
二人は少し気まずそうな顔をする。
レインはちょっと驚いたように口元に手を当ててる。
「え?え?二人って関わりあったの?!どこで!?」
「なにお前シホと知り合いなん??」
「え?二人こそどういう関係?」
三人の間に混乱が生まれる。
そこでシホがハーッゆっくり、大きなため息をつくと、
「まず、二人の関係教えてよ。どこで知り合った感じ?」
とレインとマフに問いかける。
その問いにマフは少しなんと応えるか悩んだ。
魔法少女の仕事の先であった人なんて言いようがない。
「あー…バイト先であったみたいな感じかな?」
マフが困っているのを察してか、レインが代わりに応える。
「バイト?お母さん許してるの??」
シホは疑いの目を二人に向ける。
かなり怪しんでいる。
「えっと…ママ、最近私への興味が薄れだしたんだよね…なんか、黙認してくれてて…」
マフは視線を泳がせながら応える。
するとシホの表情がパァァっと明るくなる。
「そうなの!?よかったじゃん!結構前から悩んでたもんね!言ってよー!」
マフの心臓がバクンと跳ねる。
シホは仲良くなったころから、マフの家のことを気にかけてくれていた。
嘘をついたと言う、押し寄せる罪悪感に眩暈がする。
マフは手の中に馴染む冷や汗をギュッと握りしめた。
「…っそ、そうだっ、シホはレインとはどんな関係なの??」
マフは話題を変えようと、話を逸らそうとする。
「あー。レインは例の幼馴染だよ。」
シホはさらっと答える。
「…えぇ!?シホの幼馴染ってレインなの!?」
「うん。一応…同じ高校。」
「そうなの!?」
マフはシホは部活で普段ジャージだからか、レインはシホとは違って上からパーカーを羽織っていたからか、二人の制服が酷似していることに全く気づかなかった。
マフは驚きでぽかーんとしている。
レインはそんなマフを見て、
「まぁ、元気そうだな。また回復したら本当の仕事説明すっからな。お大事に。」
と言い、スタスタとシホから逃げるように病室を出ていった。
それを見届けたシホはマフの方へ寄って行く。
手には小さなビニール袋。
おそらくお見舞いの品を持って来てくれたんだろう。
「…なんだ…マフもレインもバイトしてたなんて…言ってくれてもいいじゃんか。なんなのさぁ最近レインもマフもぉ…」
シホは少し拗ねているのか、ムッとした表情をしている。
「まぁ…シホもマフに彼氏の事黙ってるんでしょ?そっちの方が言ってあげてもいいんじゃない?」
「…だってあいつキモい変な事いって来そうなんだもん…それに…最近は…」
シホそこまで言うと何かを言うのをやめ、不満げな顔をしながら先程までレインが座っていたパイプ椅子に腰掛けると、レインが置きっぱなしにしていった、リンゴの皮のゴミをレインへの文句をたれながら、ゴミ箱へ捨ていく。
「…ってか昨日あの後倒れたんでしょ?ごめん。体調悪かったの?ちゃんと言ってよ。一緒に病院まで行ったのに…」
「ご、ごめん…」
シホは心配そうにマフを覗き込む。
相変わらずシホはいい人だ。
「でも気にしないで。多分貧血とかだよ。」
「そう?なんかあったら次は言ってね。」
きっとマフは次も言えないんだろう。
マフは小さくため息をつくと、リンゴを一つ手に取って食べた。
まふの口の中には水の抜けたリンゴの匂いが広がった。
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