ニュース速報
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「そっか…イズミくんは私と同級生だったんだ…」
「クラス多いからわかりませんよね」
あれから、三人はしばらく話していた。
外が薄暗くなってきて、客が少なっなってきて、ほぼ耳に届く他の人の声も減ってくると、店の上の方に設置されていた、小型テレビの音が耳に届く。
マフは何気なく、ちらっとテレビを見上げる。
『被害者は大学生のーーで犯人は未だにーーしかしー』
「!?」
小さな画面に映っていたのは、毎日流れているような、ニュースだった。
しかしマフはそのニュースから目が離せなかった。
そんなマフの異変に、いち早く気づいたのはシホで、
「どした?なんか冷や汗?やばいよ。」
と声をかけてくる。
「ご、ごめん…もう帰えらないと…」
マフはバッと立ち上がると、財布からお金を出して、テーブルに置く。
「門限過ぎてた?大丈夫?」
シホはすごく心配そうにマフを見つめている。
「ううん。やる事残ってたの思い出したの。心配しないで。じゃあね。」
そういうと、マフは喫茶店を飛び出し、迷わず駅の横にある、公園のトイレへ駆け込んだ。
公園の中には誰もおらず、鈴虫が鳴いている。
はぁはぁはぁはぁとマフの呼吸は荒い。
そんなに走った訳でもないのに、心臓が生々しくドクドクとなっていた。
勢いよくカバンを持ち上げて、トイレの便器の蓋の上に置くと、チャックをあけ、教科書の間を掻き分ける。
カバンの中を漁る手はじわじわと汗がにじんでいる。
案の定、中で呑気に寝ていたゴンザレスを掴み引き上げ、
「ゴンちゃん!起きて!ねぇ!」
ゴンザレスのお腹あたりをグッと強く押す。
すると、「ゔっ!」と反応を返した。
「なにぃ?」
と、目を擦るゴンザレス。
「ねぇ!ニュースで!あの人が死んだって!」
「あの人?だれ?総理大臣?やったねぇ」
「違う!昨日の!殴った!」
ニュースは、昨日魔法のステッキで殴った、ヤンキー達が死体で見つかったというだった。
「どうして!?レインは命に別状はないって言ってたじゃない!?」
「んー?あぁ。あれね。」
焦るマフとは対象的に、ゴンザレスは「はいはい」と随分手慣れた様子で受け答えをする。
「そりゃあ君の命にってことさ。相手の命とは、彼女言ってなかったろ?」
「そんな…嘘…」
「本当だよ。どうしたの今更」
「じゃあ…私…人を…」
ゴンザレスはそんなマフをみて、思い出したかのように言葉を続ける
「…あぁ!罪になら問われないよ!犯人の手がかりを追っているって言ってただろうけど、今頃この事件の資料すら処分してるだろうよ。」
安心してね、とゴンザレスはマフの手をポンポンと叩く。
そんなマフの頭の中はグルグルと色んなものが、駆け巡っていた。
頭はズキズキと割れそうに痛い。
いつまで経っても、心臓の鼓動と荒い息が落ち着かない。
吐き気が一気に襲ってくる。
マフの視界は次第に真っ白になり、マフはその場に倒れ込んでしまった。
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