変身方法を
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日も落ちてきて、街は薄暗くなっていく。
子供達は、各々の家に帰ってき、大人たちはあとひと頑張りだと、仕事場で背筋を伸ばすころだ。
そんな街中にひっそりとある路地裏。
その場の誰も気にも留めない場所に、少女二人は暗い顔で立っている。
「殺すって?なに?私たち生きてるけど…?」
マフは心配そうな顔でレインを見つめる。
「うんうん。やっぱ皆んな最初は同じ顔するわ!まぁ、分かりづらいよなー」
レインはハハっと笑う。
「説明してあげたいんだけどー。…これわかる??」
レインはポケットからスマホを出して画面をマフに見せる。
画面はロック画面でデジタル時計を表示しており、20:34と表示されている。
「えっ?もうこんな時間??」
マフの体感は返信から一時間たったくらいだった。
しかし、実際はすごい時間が経っていた。
「魔法使うとさー最初は時間感覚狂うんだよ。」
そう言いながらレインはスマホをしまう。
レインはこの感覚に慣れているようだった。
「私、21時から予定あんよ。悪いけど私はもういくわ。詳しくは魔法動物に聞いてみたら?」
そういうと、レインは、「じゃっ」と手を振りながら、レボを掴み、颯爽と路地裏の奥へと走っていってしまった。
嵐のように消えていったレインをマフはポカーンと眺めていた。
「…行っちゃった。」
「そうだね。」
「そうだ、変身ときたいんだけど、どうすればいいの?」
マフはゴンザレスへ聞く。
「きゅわふぉんの変身解消ボタン押して」
ゴンザレスはこっちも見ずに淡々と答える。
マフがきゅわふぉんを開くと、画面は『変身解除!』と、書かれた黄色い画面になっていた。
マフがボタンを押すと、キュイーンと音がする。
パァーっとドレスが光り、簡単に学校の制服に戻った。
「ほんとだ……ねぇ、レインが言ってた事って本当なの?ゴンちゃん。」
マフはレインの冗談である事を少し願っていた。
しかしその思いも虚しく、ゴンザレスは
「うん。ホント。殺してんの。」
と言ってくる。
「そうなの…?じゃあなんで私たちは生きてるの?」
「魔法でーす。」
「………」
マフはふと自分の手に目をやる。
中指に鉛筆ダコがある普通の手。
褐色も悪くないし。くにゃくにゃ動く。
でもこれは死体らしい。
「ゴンちゃん嘘ついてないよね?」
ゴンザレスは何も言わずにゆっくりこっちを向く。
そしてゆっくり口を開き、ぽつりぽつりと喋りだす。
「魔法だ生き返らせる事ができるんだよ。わかる?一度殺しても生き返らせる事ができるの。アドレナリンってすごいでしょ。」
正直マフはそんな説明で納得はしない。
しかし、何となく、深掘りしないことにした。
マフは質問を変えた。
「この人たち、どうするの?」
マフはしゃがんでヤンキーの顔を覗き込む。
青白い。
「んー?国が片付けるよ。そういう仕事の人もいるからね」
「こいういのが仕事なの?」
マフの問いにゴンザレスは
「ちがうよ?」
と否定した。
「これは初回だからね。人の命にかかわらないやつ。」
マフは目を見開いて、ゴンザレスをみつめる。
「関わるのもあるの?」
「当たり前じゃん。そうでもなきゃ、警察だけでいいもん。警察でも手に負えないものを魔法を使って魔法少女が対象すんの。」
マフは首を傾げる。
「警察でも手に負えない?」
「そう。次の仕事で見れるよ」
そういうとゴンザレスはマフの方に大ジャンプして、飛び乗った。
「ほら、立って。帰ろ。」
「……うん」
やはりマフはヤンキーが気になったが、命に関わらない仕事と言っていたので、おそらく、命に別状はないだろうと思い、マフはスッと立ち上がり、路地裏を後にしたのだった。
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