雲行きの怪しい人生
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「照橋さん。テスト綜合498点?!」
「うそだろ?!県内二位じゃん!」
「すっげぇー!!」
照橋マフの人生は完璧だった。
大人びた顔立ちによく似合う腰まで伸びた枝毛一つ無い髪の毛。
人望もあつく、小中学校で学級委員は当たり前。
高校三年生になった今、生徒会長をしている。
「流石生徒会長!」
「…うん」
周りにもてはやされているはずのマフの表情は何故か暗かった。
「はーい!みんな!テスト結果見合うのが楽しいのもわかるけどずっと喋ってちゃ帰れないよー」
先生が盛り上がる生徒達にパンパン!と手を叩く。
今はもう帰りのホームルームが始まる時間なので先生もさっさと終わらせて帰りたいのだろう。
生徒は「はーい…」と言いながらそれぞれの席に戻っていく。
「大丈夫…?マフ…」
「…うん。」
「いつにもまして顔色悪いけど…」
マフを心配する少女は柊シホ。
マフとは小学三年生からの付き合いで昔は家族ぐるみで仲がよかった。
しかし今は長年親同士は会ってないし2人もお互いの親には会っていない。
「じゃあ…私…ここだから…」
「…うん。気をつけてね」
「…」
分かれ道に来てマフの顔はより強張る。
マフは大きく深呼吸をして手をかけていたドアノブをまわす。
「ただいm((
ガッシャーン!!!
マフの声が何かが割れる音で掻き消される。
「あなたのせいでマフはあんなバカになったのよ!」
「県二位なんだろ!?いい方じゃ無いか!」
「うるさい!アンタが東大卒って聞いたから結婚したのになんであんなんが生まれてきたのよ!私は県一位になるように勉強させたのよ!?」
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