第6話 火遊びなんて危いわよ!!
登場人物紹介
水島美貴 一課刑事。阿部がバディ。
山田剛 一課長、通称デカ長。
阿部百合子 元鑑識、一課刑事。水島がバディ。
山吹千歳 爆弾処理班。
永谷景子 美貴、百合子の同僚。監察医。
*登場する名称等は全てフィクションです。
「水島、阿部、ちょっと来い!」
デカ長、朝っぱらから何?
「どうしましたデカ長。」
「今日からお前たちと同行する、爆弾処理班の山吹だ。」
「山吹千歳です。よろしくお願いします。」
「山吹さん、よろしくね。」
「デカ長、それでは捜査に向かいます。」
さて、容疑者は亡き江口さんの初逮捕した放火魔矢部と、面会し自宅を爆発させた爆弾魔原田の2人と特定したけど、足取りが掴めないんだよね。
「ねえ、百合子。矢部と原田、どこかな?」
「恐らく行動は別にしているんじゃないかしら。」
「どして?」
「最初に爆発現場にいた矢部は単独だった。原田は自宅に捜査が及ぶことを予想して行動した。」
「そうだけど、何でバラバラなのかな?」
「あの、ちょっといいですか。」
山吹さんが何か分かったのかな。
「どしたん、千歳。」
「ちっ、千歳って…。水島さん、いきなり…。」
「うちら一緒に捜査するから、名前でいいよ。」
「こう言う娘なのよ、美貴は。」
「はあ…、それより爆弾魔の事です。」
「何か分かったの?」
「私も爆弾処理してますけど、精密機械ですから、かなり緻密になるんですよね。」
「ふーん。」
「美貴、あまり分かってないわね。」
「じゃあ、百合子は分かるの?」
「私元鑑識よ。分析とかもしてたんですからね。」
「百合子さん、鑑識だったんですか。」
「まあ、誰かさんの事で異動しちゃったけどね。」
「それより、千歳何か分かったんでしょ。」
「そうでした。容疑者の原田ですが、あまり良くは言いたく無いですが、頭はいいと思われます。」
「爆弾の製造や計画的な行動を考えるとそうなるわね。」
「また、もう1人の矢部は爆発物に引火する所を防犯カメラで撮られています。」
「アタシが見つけたんだよ。」
「計画的な原田がいれば、姿が映るのが分かるような所に仕掛けるでしょうか?」
「言われてみればそうだね。」
「そもそも、各メディアに爆破予告したから騒ぎになってるのよね。」
「あの時、朝早くて眠かった…。」
「美貴さんって面白い人ですね。」
「いやー、そんなに褒められると照れますなぁ。」
「いやいや、褒めてないって。」
計画的な爆弾魔原田とずさんな放火魔矢部、この対照的な2人がどう事件と絡むのか…。
「恐らく、原田は自分の計画や爆弾性能を誇示したい承認欲求が強い人物ね。」
「矢部は原田の爆弾の効果をテストするのに使われた感じですね。」
「じゃあさ、矢部はパシリなの?」
「原田に上手く利用されてはいるわね。爆弾も複数あるみたいだし。」
「現在爆発したのは2つ。但し、同じものではありません。」
「千歳、そんなことも分かるんだ。スゴいね。」
「美貴、現場見ればそれは分かるんじゃない。」
「バクハツしたことくらいしか分からん…。」
あたしゃ専門家じゃないからねぇ…。
「原田の自宅に仕掛けた爆弾ですが、扉と連動するタイプです。また、最初に爆発した方は導火線より着火してます。」
「原田が本気で仕掛けるとしたら、矢部が着火したようなものでは無く、自宅のように仕掛けがある感じよね。」
「うん、何となく分かった。」
矢部の逮捕時の記録を一課で確認した。
江口さん、めっちゃ几帳面だね。
当時の放火現場見るとパターンがあるそうだ。
「ねえねえ、百合子。パターンってどゆこと?」
「矢部も自分なりのルールを持っているって訳ね。」
「この傾向なら、次に放火しそうな場所が推測出来ます。」
いやマジ?何で分かんの?アタシ全くなんだけど…。
「この付近が怪しいわね。」
「爆弾と違い、放火は火気があれば出来ます。」
ん?あそこにいるの矢部じゃね?
「ねえねえ、あそこの人...。」
およ?百合子がいない?どこ...って、矢部確保してんじゃん!いつの間に...。
「美貴、ボサっとしてないで!時間は?」
「9時5分だけど。」
「矢部、放火の疑いで逮捕する。」
江口さん、矢部捕まえたよ…。
一課で矢部の事情聴取をした。
どうやら、面会に来た原田に誘われ放火したとのこと。原田との接点はほとんど無かった。
昔の癖で、最初の現場からパターン通りに放火しようとしたらしい。
「矢部の行動は読みやすかったけど、原田はそうはいかないわね。」
「まずは仕掛けた爆弾の数が分かればいいのですが…。」
「そういや、予告状いくつ出したのかな。」
「報道では5社だそうよ。」
「じゃ、爆弾5個だね。」
「いや、アンタ何でそうなるのよ。」
「うーん、何となくだけど…。」
「美貴さん、その推理いい線いっているかも知れませんよ。」
「千歳、原田は計画性が高い。だから予告1つに対し爆弾配置したって事ね。」
「可能性は高いと思います。」
あとは何処に設置したかだけど…。
「原田が爆弾仕掛けた場所だけど…。」
「あら、美貴にしては何か分かったの。」
「アタシだってちょっとは考えてるよ。」
「美貴さん、閃いたんですね。」
「うん、多分予告状出した場所に関係あるかなって…思ったりしたんだけど…。」
「各メディアだね。確かにそんな所が爆発したらインパクト大きいね。」
「原田は承認欲求が大きいですから、メディアは絶好のターゲットになりますね。」
「あと、原田は爆発現場には必ず現れるわね。」
「自分の爆弾の成果を見に来るのかな。」
「そうね。予告状の届いた順に現場に行きましょう。」
第7話(最終話) 予告
ついに爆弾魔と対決だ!美貴・百合子・千歳は爆発を止め、容疑者を確保出来るか。
次回 「これが最後の奥の手よ!!」
新メンバーで捜査開始って、かなりいい所行ってますなぁ。
いよいよクライマックスとなります。
では次回また。




