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花梨の目指すものと転校生

今回から頂いたアドバイスを参考にセリフに鍵括弧を付けています。また話が少し長めになりました

 紗月の初家庭教師

「ふぅ疲れたー」

俺、上条春馬は有香里の部屋の掃除を終えて部屋で横になって休んでいた。


ちなみに掃除の前に走らされたのもあってより疲れていた。


俺はふと壁の時計を見る。


3時5分前。


3時からは紗月が国語を教えてくれるらしい。


そして夕飯後には多緒が理科を教えてくれるらしい。


すると襖がとんとんとノックされ俺は「はい!」と答える。


「入るね」


と紗月ののんびりでそれでいて静かな声が聞こえ襖が開く。


俺は机を直して座ると教科書を出す。


これは紗月に事前に言われていた事だが国語はノートに書くよりも頭を使って考える事が多いらしい。そんな紗月は机の横に座る。


そして俺に教える時はヘッドホンは部屋においてくるらしくヘッドホンをかけていない珍しい紗月に違和感があった。


紗月は少し長いくらいの前髪をかき上げると、


「ページ開いて」


と言う。俺はおうとページを一気にめくって開く。


「うん、じゃあ始めるね」


と紗月は言うと作者の名前の部分を指で隠すと言う。


「じゃあこの羅生門の作者覚えてる?」


俺は「あぁ、芥川龍之介だろ」


「正解。ここは絶対テストに出ると思うから覚えておいたほうが良いよ」


俺は紗月に言われて何回か名前を繰り返し言う。


こうする事で覚えやすくなるらしい。(※個人差があります)


その後も紗月は有香里とは違った意味で分かりやすく教えてくれた。


有香里は明るく普通ぐらいのペースで進めていってくれたが紗月は性格的になのか少しゆっくりぐらいのペースで進めてくれた。


ただ名前などを覚える事の多い国語にはそれぐらいのペースが丁度良かった。


1時間半ほど紗月と国語を進めて大体小説の半分くらいは終わった。俺は部屋に戻る準備をする紗月に


「ありがな。分かりやすかったぜ」


と言う。紗月は


「あ、ありがとう」


と何処か嬉しそうに照れて顔が赤い。


紗月の時折見せてくれるこう言う表情が紗月の魅力な気がする。


って違う違う。紗月は筆箱を持って部屋を出ていった。


俺はふぅと一息付きつつ思う。


やっぱり家庭教師をしてもらった方が今まで以上に覚えられる気がする。そんなこんなで紗月の国語の授業が終わった。


多緒の初家庭教師


夕食を食べ終えて俺は部屋で多緒が来るのを待っていた。するとコンコン、


「多緒です。入りますよ」


俺はおう、入ってくれと言い机に移動する。多緒は入ってくると紗月と同じように机の横に座る。


俺は理科と言うより科学と人間生活の教科書を出す。


多緒は


「それじゃあ10ページを開いて」


俺は10ページを開く。


するとそこには頭が痛くなるほどの化学式が書かれている(ちなみに筆者も化学式は大の苦手です)


多緒は「それじゃ一番からやっていきましょう」


それから多緒は化学式がどうしてこうなると解説をしながら解いてくれた。


俺は少しだけ化学式の苦手意識が減った気がする。


地獄の化学式の復習を終えて俺は思わず寝っ転がって体を伸ばす。


多緒は「はははと笑うとでも化学式って意外と面白いでしょ」


俺は「あぁ確かに意外と面白いのかもな」と返す。


多緒は満足そうにすると「それじゃ今日は終わりにします。


また教えに来ますね」と言うと部屋を出ていった。


幕間 第一回四つ子家庭教師会議


私、仲川多緒は春馬君への家庭教師を終えて皆の集まる居間に向かった。


居間では三人揃って座っていた。私が居間に入ると有香里が


「タ緒どうだった? 春馬さんの家庭教師は?」


私は「えぇゆっくりしっかりと教えたらかなりあっさり理解してくれました。多分学校とかの授業などのペースで覚えようとすると無理なのかもしれません」


すると有香里は「やっぱり多緒もそう思ったんだー」


と嬉しそうにしている。


紗月は「うん、私も今日教えてみて同じ事を思った。多分学校と違って私達となら春馬も自分のペースで勉強出来るから覚えやすいんだと思う。だから今後も春馬のペースに合わせて教えてあげたら良いと思う」


私は


「私もそう思います」


と頷く。


「ただ…懸念があるとすれば」


私が言うと一瞬にして3人の視線が花梨に注がれる。


「私と紗月、有香里で数学、国語、理科はどうにかなりそうですが…社会系は」


すると花梨は私達三人の視線に気付いて


「な、なによ。アイツには教えないわよ」


私は「花梨、何をそこまでムキになってるの?」


花梨は「別に、ムキになんてなって無いわよ」


と言うと勢い良く立ち上がると


「私、部屋に戻ってるから!」


と部屋を出ていって、花梨の居た場所には花梨の鞄のみが残されていた。


私は花梨が忘れていった鞄に気付いて、鞄を持とうと近づく。


その時、私は鞄の開いている部分から微かにパンフレットが除いていた。


そのパンフレットは"医学部"のある大学の物だった。私は何で? と思った。


それもそのはず、花梨は父や私達姉妹にさえ何も言っていなかったからだ。


花梨が教師以外の何かを目指すことについて私達は別に何も言うつもりは無い。


だけど何も言われないのはそれはそれで気になる。


すると


「私、眠いから部屋戻るね」


と紗月が目をこすりながらこちらに歩いてくる。


私は「紗月、お休みなさい」


と声を掛ける。続けて有香里も


「紗月、おやすみー」


と手を振る。紗月は


「おやすみ」


と言うと部屋を出ていった。


私は「ねぇ、ちょっといい?」


と有香里に手招きする。


有香里は「なぁに?」


とこちらに来る。


私は「ねぇ、これ」


とさっきのパンフレットを指さす。


有香里は「大学のパンフレットだね」


と言う。


私は「ここ」


と医学部と書かれた部分を指さす。


「医学部?」


と有香里は不思議そうにしている。


私は「花梨、それこそ医者とか、なりたい職業があるのかも」


有香里は「確かに。昔、夢だったとは言ってもずっとそれが夢だとは限らないもんね」


と納得したようだ。


有香里はいつもは明るく振る舞ってるけどこう言う時にはお姉ちゃん的な感じで頼りになる。


私は「それは…分からないけど」


と口ごもる。その時、トコトコトコと廊下から足音がして


私は「有香里戻って」


と言うとパンフレットを入れ直して元の場所に座る。


すると部屋の襖が開き花梨が入ってくる。


花梨は鞄を取ると


「中、見なかったわよね」


と私達2人に視線を向ける。


私が何と言おうか悩んでいると有香里が


「うん、なか…モゴモゴ」


有香里が言う寸前で私は口を塞ぐと


「見てないよ」


と言う。花梨は疑わしそうにこちらを見ると


「そう」


と言って部屋を出ていった。


私はふぅと一安心して有香里の口から手を離す。


有香里ははぁ、と息を吸うと


「何で口を塞いだの?」


と聞いてくる。


私は「見た。なんて言ったら花梨怒っちゃうでしょ。しばらく黙ってたら自分から言ってくれるかもしれないし」


有香里は「そうかな?」


と言う。私の中で花梨への疑う気持ちが大きくなっていた。


今月2人目の転校生!?


俺、上条春馬は教室でホームルームを待っていた。


有香里は早々と1時間目の準備をしていて、紗月はいつもの読書、花梨は友達とおしゃべりに花を咲かせているいつもの光景。


俺もやっと慣れてきた気がする。


するとガラガラとドアが開いて先生が入ってきた。


ほんならホームルーム始めるでと関西弁全開な担任の山本真理先生が入ってくる。


ちなみに俺も有香里達も親の影響で標準語なのでクラスの中では珍しい存在にらしい。


ただ花梨は良く友達と話すのもあって少し関西弁ぽくなることもある。


すると先生が「今日はまたまた転校生を紹介するでー」


俺は「えぇ」と驚く。


先週俺が転校してきたばかりなのにまた転校生が来るとか凄く珍しいと思う。


先生は「んじゃ入ってきて」とドアの方に声を掛ける。


すると髪をツインテールにしていて何だか花梨に似た感じの子で雰囲気はお嬢様的な感じもある子が入ってきた。


先生は「じゃあ自己紹介してくれる?」と促す。すると


「立花友里音よ。よろしく」


と立花さんが言う。


「えぇ、立花って、あの立花か?」「そうじゃない?あの大きな家の」「凄い凄いよ」と教室がガヤガヤとする。


やはりお金持ちではあるみたいだ。


とこんな感じで今日は今月2人目の転校生がやってきた。


俺は有香里と紗月と共に帰るべく廊下を歩いていた。


その時今まで空き教室だった部屋に明かりがついていて看板も入っている。


俺は2人に「新聞部? うちにそんな部あったっけ?」


すると有香里が答える。


「聞いた話だとあの転校生、立花さんが作ったみたいでふよ」


俺は「へぇーそうなのか。にしても、どんな新聞を作る気なんだろ?」


俺には知る由もなかったこのあと新聞部…と言うか立花さんに何度もスクープされ、誤解されまくる事になるとは。


さらに家庭教師の四人の恋のライバルになることも四人が知るのはまだ先の話。


最後までお読み頂きありがとうございます!

なろうでの連載開始から明日で2週間です

既に本シリーズが合計150pvを超えています。本当にありがとうございます。今後の投稿は基本一日おきに投稿する予定です。次回は金曜日を予定しています。そして今回、まさかの新キャラの登場です。本編で描いた通り現段階の予定では甘神さんちの縁結びの白日ちゃん的な感じの恋のライバルになる予定です。たぶんこれからしばらくキャラが増えることはないと思います。(自分が分からなくなりそうなので)あと花梨の未来はどうなるのでしょうか?

では次回金曜日の更新をお楽しみに!

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