四つ子と旅行!? 中編
今回はついに四人がお互いの気持ちを確認し合い、多緖も好きには迷わなくなる…?
私、仲川紗月体を伸ばす
あれから夕飯を食べた私達は部屋で一休みしていた。
「ねぇ、そろそろお風呂行かない?」
「良いですね」
「だなー」
私の提案に多緖と花梨が賛成する。
「露天風呂あるみたいだよ」
「本当!?」
多緖が食いつく
「しかも"混浴"って書いてあるよ」
「こここ、混浴!?」
有香里が春馬さんを見る
「だ、誰がお前達と入るか!」
「ですよねー」
「と、取り敢えず行こうか」
私は提案した。
◯◯◯
「気持ち良いですね」
多緖が声を出す
「ははは、"混浴"じゃなくて"温浴"だったやー。あはは・・・・・・。」
浸かりながら、読みまちがえた有香里が笑ってごまかす。
「温浴だったやーじゃ無いわ」
ペシンっ!
花梨が有香里の頭を軽くチョップする
「痛い…」
「痛い訳ないでしょう…これでも力抜いたんだから」
「うう、花梨はやっぱり暴力おん……」
「おっと有香里ちゃん何か言ったかしらぁ!」
「むーむぐぐ」
口を塞がれ有香里がもがく
まぁ自業自得としか言えないけど。
私は上を見る
上には星空が広がっていた。
「キレイ」
私はポツリと独り言のように呟く
「ですね」
すると多緖が近づいてくる
「そう言えばさ、四人で旅行するなんていつぶりだろう?」
「確か、最後に行ったのは小学5年生の時でした」
「あの時は私達四人ともまだ小さくて髪型も一緒だったよね」
「えぇ、でしたね。あとあの時は私がお風呂で滑って転んで、泣きそうになってた時にお母さんが仲泣かなくて偉いねって言ってくれたのを覚えてます」
「あった、あった。確か私がお母さんを呼んだんだよ」
私は星空を見上げる
「お母さんも天国から見てくれてるかな?」
「見てくれてると思いますよ。だから昔お母さんと約束した通り、四人で立派な教師になりましょう」
「うん。頑張らないと」
「何の話をしてるの?」
後から有香里が話しかけてくる
「ううん。何でもない」
「そう?じゃあ何か話さない?」
「何を?」
私は聞き返す
「やっぱりみんなで旅行って言ったら恋バナとか」
「こ、恋バナですか?」
多緖が反応する
「そう。じゃあ皆んなは……春馬さんの事、好き?」
「!?」
「!?」
「!?」
「前にも言ったけど私は春馬の事は好き」
私は恥ずかしさを我慢して言う
「私も春馬さんの事は好きだなー」
有香里が恥ずかしさと照れを混ぜたような表情で告げる
「花梨は?」
「わ、私!?」
「私は……好きに決まってるでしょ……」
花梨も顔が少し赤い
「多緖は?」
「わ、私は…私は………」
「???」
「な、何でもいいでしょ」
(((はぐらかした)))
「その回答は無しー」
有香里がツッコむ
「私だって恥ずかしいけど言ったのよ」
「で、ですが……」
多緖が悩む表情を見せる
「ま、まぁ取り敢えず体洗おっか」
有香里が空気を察してか言った。
お風呂に入った私達は眠くなって、部屋に戻って早々寝ることにした。
「「「「おやすみ」」」」
「あぁおやすみ」
私達の声に春馬さんが返してくれた。
~数分後~
ぐぅ〜すぴー
周りから有香里や花梨、春馬の寝息がひっきりなしに聞こえてくる。
まだ寝てから10分くらいだが、皆んな熟睡のようた。
すると隣の布団が動いて多緖がこちらに顔を向ける
「紗月まだ起きてる?」
「え、うん」
「お風呂の時私だけ言えなかったでしょ」
「うん」
「あの時は言えなかったけど、自分が春馬君の事をどう思ってるのか分からなくて」
「分からないって?」
「うーん>< 何と言うか、最近春馬君に勉強を教えてる時、無意識に春馬君の方を見っちゃてるみたいな」
「それは好きってことじゃないの?」
「そうなのかな?でもそうだったら私達四人全員が春馬君の事を好きだって事でしょ。そうなったら…四人の仲が悪くなったりしそうだし……」
多緖の真面目な性格が表れている気がした。
「私は嬉しいけどなぁ。姉妹全員で一人の人を好きになれるのも」
完全に本心だ
私だって、同じ事を考えた事がある
だけど多緖に借りた漫画の三女を見てたら、好きに迷うことなんてないんだと思えた。
「良いの?」
「うん。私は負けないから」
「じゃあ私も春馬君の事は好き」
こうして私達四人全員が春馬の事を好きだと分かった。
◯◯◯
ピヨピヨ
鳥が鳴き空は水色に染りきった朝、私はトイレに行った帰り襖を少し開けて部屋を見ていた。
さっきまで寝ていた多緖がいつの間にか起きていて、春馬の隣りに居た。
私は昨晩の会話を思い出す。
「じゃあ私も春馬君の事は好き」
寝る前に多緖はそう言った
回想にふけっていると多緖が体を前に伸ばして、寝ている春馬にキスをした。
私は嬉しかった
多緖が自分の気持ちに正直になってくれた事に。
今までも真面目な性格が邪魔してか、自分の気持ちに正直に慣れていない事が何度かあった。
だけど今回は違った。
多緖はそそくさと自分の布団に戻っていく
私はフッと微笑みながら部屋に戻った。
◯◯◯
「おやすみ」
四人の言葉に返事をして俺は目をつぶった。
それからしばらくは疲れていたのもあってぐっすりと寝ていた。
ある時から夢を見ていた。
澄んだ青空と白く輝く教会
『ここは……?夢か……』
次に映し出されたのはウェディングドレスを着た女性が……四人?
そしてそのうちの"一人"の薬指には指輪が輝いている
特徴的な"うさみみリボン"や"ツインテール"、"癖っ毛"に"サイドテール"、あの四人なのか?俺はアイツらと結婚するのか!?
もはや"五"ならぬ"四等分の花嫁"と言えなくもない気がする。
すると有香里が何やら口を開く
ただ声までは聞こえない
唯一分かるのは口の動きだけだ
『四つ…ゲ…ム』
かろうじて分かったのはそれだけだった。
にしても今回の夢と言い、前の医者の夢と言い…何なのだろうか?正夢になるとでも言うのだろうか?
視界がぼやけていく
「はっ」
気付くとホテルの天井が見えていた。
最後までお読み頂きありがとうございます!
今回は後編…ではなく中編です。
今まで余り深掘りしていなかった四人の母についても少し書いてみました。そして春馬の夢は正夢になるのでしょうか?
ちなみにお気付きの方もいらっしゃるかと思いますが今日から挿絵を導入しました。AIさんに描いてもらいました!今のAIは凄い……。
では次回もお楽しみに!
 




