表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
29/38

席替え一日目

今回は本作を2回連続投稿です!

 冬休みの課題回収をしている間、前に渡すと暇になるので窓の方を見る。


そうすると必然的に有香里の顔も見える


何と言うか一度告白的な事をされた以上、意識しないようにするのが難しいのだ。 


(ま、まぁ仕方ないか)


俺はそう言い聞かせていた。



「たく、羨ましすぎるぜ。四つ子に囲まれた席だなんて」


日崎が羨ましそうに呟く


(いや、こちらからしたら全員の世話を焼かないといけないから大変なんだが……)


俺は内心で苦笑しながらも周りからすれば羨ましい席なのかと納得する


「でも付き合ったりはして無いならあの四人とはどう言う関係なんだ?」


俺はどう返そうか迷う


下手に家庭教師の事を言うと面倒くさくなりそうだし……


「まぁ、偶に勉強を教えてもらうぐらいかな」


「へー、でもあんなに可愛い四人に教えてもらうだけでも羨ましいが、好きだとかは思わないのか?」


日崎が突拍子もなく聞いてくる


「別に、日崎は四人のうち誰か好きなやつがいるのか?」


 俺は何となしに聞いてみる。


「んーやっぱり紗月さんやな、眼鏡っ娘でそれでいて読書好きで静かなとことかな」


 紗月は意外ともてているのは知っていたが日崎もだった事に驚く。


ガラガラ


 教室のドアが開いて先生が入ってくる。


「んじゃ、俺は戻るわ」


 日崎は自分の席に戻って行った。



(何だか凄くドキドキする)


 私、仲川有香里は窓の方を見ながら思う。


 だって隣には春馬さんが座っているから。


 いつも家庭教師の時も近くに座っているけど、学校で、なおかつ隣の机となるとやはり違うものがある。


(でも、春馬さんを独り占めしてるみたいで、何だか不思議な感じ)


 私は日の注ぐ窓を眺めながら密かに思っていた。




 夕飯後の家庭教師までの間、俺は珍しくテレビを見ていた。


『そ〜なんです♪こ〜なんです♪あ〜らなんです?♪』


とか


『朝日に輝く』


『ホテルニュー~♪』


 ローカルのCMが流れてきてここが兵庫県なんだなと思い出す。


「夕飯出来た」


 紗月が呼びに来る。


「おう、すぐ行く」


 俺はテレビを消すと立ち上がった。


第五回四つ子家庭教師会議!


 私、仲川有香里は春馬さんの家庭教師を終えて3人のいる居間に戻ってきた


「みんな集まったわね」


 私が座った所で花梨が口を開く


「はい!」


 返事をすると花梨が頷く。


「で、有香里どうだった? 今日の家庭教師は」


「うん。ちゃんと聞いてくれたし、頑張ってたと思うよ」


「OK、で何か意見ある?」


 スッと紗月が手を挙げる。


「紗月」


「夕方に家庭教師をして思ったのは春馬も慣れてきた感じだったから少しペースを上げてみても良いと思う」


「そうですね。私もそう思います」


 紗月の意見に多緖が賛成する。


「なら、そうしましょうか」


 花梨も納得したようだ。


「あと議題あるかしら?」


「「「···」」」


 全員が黙る。


すると花梨が思わぬ提案をした。


「じゃ、フリータイムにしまょうか」


「フリータイム?」


私は花梨に聞く


「フリータイムはいつも"有香里"とかが話を脱線させて話すことを話したりする感じ」


「むぅ、なんで私だけ名指しなの……」


私はむくれてみせる


「それはそれとして何か四人で話したいことある?」


私は手を挙げる


「有香里」


「今日、久しぶりに学校に行って思ったけど、私達って関西に住んでるのに関西弁とか全く話さないよね」


「確かにそうね」


花梨が納得の表情をする


「お母さんが標準語だったから自然にそっちになれた感じだよね」


紗月が思い出すように言う


言われてみればお母さんは全く関西弁を話さなかった。


「じゃあさ、関西弁言ってみない?」


「面白そうね」


花梨がのってくる


「じゃ、まず有香里から」


「な、何で?」


「こう言うのには言い出しっぺの法則っていうのがあるとか」


紗月が説明してくれる


「そうそう」


花梨も賛同する


「じゃあやるよ」


「私達は四つ子…やで」


「なんか違う気がする」


紗月がぼそっと言う


「次私ね」


「私達は四つ子や、みたいな」


「凄い似てる」


私は思わず言う


「次紗月」


「わ、私!?」


紗月がしばらく黙った後


「私らは四つ子……やで……」


しゅー


紗月が頭から湯気を出す勢いで顔を耳まで真っ赤にして机に突っ伏す


「最後は私ですか」


「私達は四つ子やで!」


「「「おぉ」」」


「そっくり」


「凄く似てるよ」


「似てるわね」


多緖に代わる代わる言う


「そ、そうですか」


「そうだよ!」


私はさらに言うと座り直す


「そう言えば、関西弁とそれを進化させたようなの無かったっけ?なんとかどす。みたいな」


「それって、京都弁じゃない?」


紗月がいつもの物知りを発揮する


「そう、それそれ」


「京都だと舞妓さんとかが言ってたりしますよね」


多緖も思い出すように言う


「んじゃそろそろ会議終わるわよ」


「はーい」


「締めの言葉どうする?」


私は聞いてみる


「締めの言葉?」


花梨が聞き返す


「ほら、今日の家庭教師終了!みたいなの言ったりしてたじゃん」


「あぁ、あの"何処かの生徒会"の終わりみたいな」


花梨も思い出したようだ


「じゃあ、"そして次の家庭教師が始まるのです"とかどうですか?」


「なんか"金管楽器"吹いてそう」


紗月がいつものようにツッコむ


「あの京都の宇治市のやつ?」


私は思い出して聞いてみる


「おっとそれ以上はいけない」


紗月が止める


紗月のノリの良いツッコみにみんなで笑う


こうして今日も家庭教師会議は幕を閉じた













最後までお読み頂きありがとうございます!

前話の続きという形でした。一番うしろの端の席、主人公席良いですよね。自分も何回かなったことがあります。主人公席と言うとからかい上手の高木さんとか隣でぼそっとロシア語でデレるアーリャさんとかのイメージがあります。

すみません話が脱線しました。

次回はドリームアナザーワールドを更新予定です!

ちなみにドリームアナザーワールドは夏休み企画なので今週末には完結する予定です。一応異世界系の話の練習として初めたものなのであまり面白くはないかも知れませんが最後までよろしくお願いします!

では次回お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ