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多緖のイメチェン

今回は後半にネタ多めです

俺はいつものようにキッチンで花梨とおじさんが作った朝ごはんを並べていると


「春馬さんおはようございます!」


有香里がいつものように肩下まである髪にうさ耳リボンを付けてやってきた。


「ああおはよう有香里」


トコトコと更に足音がした後に


「おはよう……ございます」


やってきたのは髪をポニーテールにして前髪を上げるようにカチューシャをした子だった。

 

「えーと……誰だ」


ガーン


と言う効果音が聞こてきそうなぐらいに悲痛な顔をすると


「春馬君、多緖です!分かりませんか?」


「ああ悪い悪い言われたら分かったよ」


俺が謝ると有香里が言う。


「春馬さん、女の子が髪型を変えたらまずは褒めたほうがいいでふよ」


「お、おうそうなのか」


俺は有香里のアドバイスを理解した。


「まぁでも今までより可愛い気がするぞ」


「そうですか!」


多緖が嬉しそうにこちらを見る。


そんな目で見られると恥ずかしいからやめてくれ。


すると有香里が多緖に耳打ちする。


「良かったね!春馬さんに褒めてもらえて」


「あ、有香里、言わないでください」

 

俺には何を言ったかは聞こえなかったが多緖の頰がほんのり赤くなったのが分かった。


「おはよーって誰?」


「紗月まで……」


「あ、多緖か。おはよう」



多緖も見て欲しい!


私、仲川多緖は有香里の部屋の前に来ていた。


私は覚悟を決めてドアをノックする。


「はーいだれ?」


「私です」


「多緖ちゃんねどうぞ」


私はドアを開けて部屋に入る。


有香里の部屋は特段目立つものがある訳でも無い普通の女子高生の部屋って感じで凄く落ち着く。


「で、どうしたの?」


「いや、それほどの事じゃ無いんですけど」


「なになに?」


ふぅ私は深呼吸をすると口を開けた


「私、春馬さんにもう少し見て欲しいなってだけなんだけど」


「うーん見てもらうか、何で急に?」


「先週家庭教師のお礼にと春馬さんと一人ずつお出かけしたじゃないですか」


「うん」


「その時もあまり私を見てくれていないような気がして」


「うーん」


有香里は真剣に考えてくれてるようだ。


やっぱりこう言う時には有香里が頼りになる。


何と言うかお姉ちゃんらしさがある気がする。


「だったら髪型変えてみるとか」


「髪型を!?」


私は驚きのあまりに聞き返す。


「そうイメチェン」


確かに髪型を変えたら春馬君に少しは見てもらえるかも


こうして私は髪型を変えることにした。

 



俺は居候している家へと歩いていた。


理由は単純でおじさんに夕飯の買い出しを頼まれたからだ。


「ふぅ」


汗が凄い。もう12月になろうとしているが山間の町なのもあって、坂の多いこの町では坂を上がったり降りたりするだけでも汗が流れる。買い物とかを運びながらだとなおさらだ。


「着いた……」


やっとの思いで帰ってきた俺は玄関を開けて衝撃的なのものを見るとは思ってもいなかった。


俺が玄関を開けると……有香里が四人居た。


「は……」


「本物の有香里は誰でしょう?」


俺は困惑する。


見る限り四人とも有香里にしか見えないのだ


俺はしばらく考えて指を指す


「お前……か?」


「違うわ、花梨よ」


俺はさらに困惑する


「じゃあお前?」


「ぶっぶ多緖です」


「じゃあお前か」


「ブッブー紗月だよ」


「じゃあお前か!?」


「正解です!」


居候し始めてから早3ヶ月が経ったが未だに見分けがつきにくい。


改めて四つ子なんだと理解する


「じゃあこれはどうですか?」


四人が一旦居間に戻ったあとまた出てくる


ただ全員有香里にしか見えない


「「「「私が誰か当ててください」」」」


「えーと」


俺は一番右の有香里を指差す


「花梨……か」


「正解よ。良く分かったわね」


次に俺は左から2番目の有香里を指差す


「紗月か?」


「ブッブ私は多緖です」


俺は一番左の有香里を指差す


「有香里か?」


「正解です!」


「じゃあお前が紗月か?」


「正解」



「やっぱり一発では当てられないな」


四人は顔を見合わせると同時に言う


「「「「お父さん」」」」


すると居間から"お父さん"じゃないおじさんが出てくる。


「なんだ?」


「誰が誰か分かる?」


するとおじさんは

 

「あぁ分かるとも」


「右から花梨、紗月、多緖、有香里だ」


「正解お父さん」


(おじさんすげー)


俺はあっさり当ててしまったおじさんに驚いていた。




ドサッと俺はダイニングに買い物の入った"ネコ"エコバッグを置く。


「おじさん」


「春馬なんだ?」


「おじさん良く四人を当てたなと思って」


「うーんまぁ感覚だな」


(逆にスゲー)


「まぁ春馬も一緒に生活していて、なおかつ気持ちがあればそのうち分かるようになると思うぞ」


「そうなら良いけど」



第三回四つ子家庭教師会議


「終わった」


私、仲川紗月はみんなの集まる居間に入る


「お疲れ様」


多緖がお茶を入れながら言う


「で、今日の議題は?」


「うーん」


今考えるんかい!私は心の中でツッコむ


「あだ名付けてみるとかどう?」


「前の呼び方みたいな感じか」


花梨が反応する


「うん!」


「例えば?」


「えーと」


有香里が考え始める


「アカちゃんとか」


私はふと提案してみる


「有香里だからアカちゃんか」


「なんか"赤"ちゃんみたいでやだな」


「それにアカちゃんって言うと何処かの"小さな生徒会長さん"みたいじゃん!」


「あれ?それ有香里読んだことあったけ?」


「前、紗月が貸してくれたよ」


「そうだっけ?」


「うん。あの富◯見ファアンタジ……むぐ」


「おっとそれ以上はいけない」


花梨が有香里の口を塞ぐ


「何でよ!」


有香里が花梨の手を離して言う


「だって"なろう"的にダメじゃ……」


「二人とも凄くメタイ」


私は静かに言う


「何か…この会議毎回メタ発言してるような……」


多緖が苦笑しながら言う。


「ま、まぁ脱線しちゃったし今日の会議は終了しますか」


すると有香里と多緖が言う。


「今日の家庭教師終了!」


「最後までそのネタやるんだ……」


私は静かにツッコんだ。










最後までお読み頂きありがとうございます

今回は多緖が春馬にもっと見て欲しくて髪型を変えて最後は四人ともで有香里になりきったら見分けがつかないと言う話でした!そして最後のアカちゃんについては本編内で触れた通り富士見ファンタジア文庫さんの生徒会の一存と言う作品のメインヒロイン生徒会長のあだ名でした。あと最後の家庭教師終了も今日の生徒会終了と言うアニメオリジナルの締をオマージュしてみました。ちなみに自分が生まれた頃の作品です。面白いのでよければ読んでみてください!最後のネタはこれくらい多いほうが良いですかね?それとも少ないほうが良いですかね?

出来れば教えて頂けると嬉しいです

では次回お楽しみに

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