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四つ子勉強会!

今回は四人の勉強会です!


「やっと終わったぜ」


日崎が肩の力を抜いて言う。


そう、やっと期末テストが終わったのだ。


期末テストは中間ほどドタバタすること無く終える事が出来た。



ピンポンパンポン


お昼ご飯を終えて俺は教室でのんびり休憩していると放送がなった。


「2年3組の仲川有香里さん。今すぐ職員室、柴山の所まで来なさい! 2年3組の仲川有香里さん。今すぐ

職員室柴山の所まで来なさい!」


ピンポンパンポン


「は」


ガタン!


有香里はゆっくり立ち上がるとスタスタと教室を出ていった。


~10分後~


ガラガラ


教室のドアが開いて有香里が入ってきた……がやらかしたと言う顔をしている。


有香里はペランと俺の方にプリントを見せてきた。


それはテストの答案で点数は……25点。


「は」


俺は本日2度目のはの一言を発した。


「赤点じゃねぇーか!」


「えへへやっちゃいました……」


有香里は頬をかきながら言う。


俺はちらりと隣の紗月を見る。紗月もやれやれという表情だ。


「やっちゃいましたじゃねえーよ赤点じゃねぇか」


「あはは」 


有香里は苦笑していた。



そして2日後


全てのテストが返ってきた。


俺は中間から上がることも下がることもなく50点前後を横ばいだった。



ただあの四人は


有香里は前述の通り国語が赤点であり、花梨は英語が赤点スレスレ、紗月は赤点こそ無かったが数学が40点台と彼女の中で一番低かった。多緒は歴史が赤点と言う結果だった。


この結果から俺は一つの結論を出した。


あの四人は得意科目以外があまり出来ないのだ。


俺は居間に四人を集めた。


「どうしたのよ急に」


「どうしたんですか?」


俺は呆れながら言う。


「どうしたじゃ無いだろ」


「今日は四人それぞれの赤点だった科目を教え合ってもらう」


「何でですか?」


有香里が聞いてくる。


「俺が言うのもなんだが教える立場のお前らが赤点取ってどうすんだよ」


「ははは」


「まぁある漫画でも言っていた。5人とも正解が被ってないって事は5人でひとつになる」


「つまりお前らも四人で力を出し合ったら赤点にはならなくなるはずだ」


「あぁそう言う事ですか」


多緒は理解したらしい。それも当然で多緒から借りた漫画の受け売りだからな。


こうして四人の勉強会が始まった。




有香里は紗月に国語を教わっていた。


「羅生門の作者は芥川龍之介、ふとと思わずは多和田葉子、うそとパンは幸田文」


有香里が繰り返す。


「芥川龍之介、多和田葉子、芥川龍之介 」


「なんか二人いる」


「えー」


「じゃあ…芥川葉子、幸田文」


「今度は合体してる」


紗月も流石に苦笑している


反対では花梨が多緒に歴史を教えていた


「ナポレオンが制裁の為に遠征した場所は?」


「イギリス?」


「はぁ!?ロシアでしょ。イギリスとの貿易を禁止にしたけどロシアが貿易を続けてその制裁だからロシア遠征って習ったでしょ」


「む、無理ですー」


多緒が目を漫画の > < ←にして泣きそうになっている。


多緒の間違いは百話譲って良いとして有香里の名前が入れ替わるのは何でだ?俺には理解出来ない


そんなこんなで四人の勉強会は進んでいった。



俺は部屋で勉強をしていた。


有香里や紗月達の家庭教師の無い勉強は違和感を感じてしまう。それぐらいに今の生活になれていた。


コンコン


「春馬さーん!私でーす」


「有香里か」


ずぅーと音を経てて襖が開く。


「有香里どうしたんだ?急に」


「勉強会が終わったので様子を見にきましたー」


「そうか、どれくらい覚えれたんだ」


俺は期待を込めて聞く


「これくらい、羅生門が芥川龍之介、ふとと思わずが幸田文、うそとパンが多和田葉子!」


俺は思わず呆れを通り越して笑いそうになりながら言う。


「おい、入れ替わってるぞ」


「へ」


「ふとと思わずが多和田葉子でうそとパンが幸田文だ」


「マジすか」


「マジだ」


「お前は本当に名前を覚えるのが苦手だよな」


「そうですねぇ」


「じゃあ春馬さんは得意なんですか?」


「あぁまあ」


「ことわざとかは覚えてます?ことわざも苦手なんですよ」


「じゃあお前言ってみろよ」


「犬も歩けば棒にあ…な?…る」


「ネ◯リーグの伝説のハプニングじゃねえか」


「えーと」


「急がば回れ」


「それは合ってるな」


「やったー!」


俺は呆れながら言う


「知ってて当たり前だぞ」


「ぶーじゃあ春馬さんも言ってみてくださいよ」


「えーと、猿も木から落ちる」


「あと理屈と"シップ"はどこにでも付く」


有香里が首を傾げる


「膏薬じゃなかったでふか?」


「あっ」


「春馬さん素で間違えましたね」


「あぁ認めるよ。ことわざは苦手だ」


すると


「春馬さーんあの箱はなんでふか?」


有香里は部屋の端の段ボールを指差す


「あぁあれは持ってきて整理できずにそのままの物だ」


有香里は段ボールの所まで行くと

 

「ぐふふエ◯本とかあるんじゃないでふかぁ?」


「あるわけねぇだろ!勝手に見るな」


「あっ…これ」


有香里が取り出したのは写真立てだった


中には親父と俺と母さんの3人で撮った写真が入っている。


「そうだ。それが俺の母さん、お前達の母さんの妹だ」


「凄く…似てる……でふ」


「だろうな」


有香里は懐かしそうに写真を見つめ、目には涙が溜まっている


「ま、まぁ…お前も同じくらいに似てるぞ」


有香里の顔がほんのり赤くなる


「お世辞でふか」


「お世辞じゃねぇよ!」


「ぶ、ははは」


有香里が笑いだす。


「何言ってんだ俺達、ははは」


釣られて俺も笑った。


こうして夜の部屋に二人の笑い声がこだました。






最後までお読み頂きありがとうございます!

今回は前書きの通り、四人の勉強会でした。ちなみに1話の時点で四人共、得意科目以外の点が悪いと言う伏線があったのでした。気付きましたか?

良ければやる気になりますので感想や評価などお願いします。次回は花梨を中心にしたお話です!

そしてそろそろ新作の連載(予定)をしたいと考えています。では

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