中間テストでドタバタ
今回は中間テストです!
春馬は赤点回避なるか!?
「んーじゃ、ナポレオンはイギリスと貿易を止めなかったイギリスへの報復として何処の国に制裁を加えたか分かる?」
俺は花梨に歴史を教えてもらっていた。
時計は既に22時前。
いつもならとっくにお風呂に入ったりしている時間だ。理由は……明日が中間テストだからだ!
俺は特に苦手な社会と数学を中心に全科目を復習していた。
「えーと、ロシア……だよね」
花梨は呆れたようにため息をつくと
「正解よ。出来てるじゃない」
「あんたは自分の答えにもっと自信持ちなさい」
俺は頭をポリポリとかくと
「だよね。気を付けるよ」
と花梨に軽く謝る。
「ま、まぁ分かれば良いのよ」
とそっぽを向きながら言う。
その顔は何だか赤かった気がする
「それじゃ、テスト範囲は終わったし今日は終わりよ。お疲れ様」
「おぅ、ありがと」
と俺は花梨にお礼をすると花梨はそそくさと出ていった。
「よしっと」
俺はノートなどの片付けを終えて、お風呂に入る事にした。
お風呂は廊下の突き当たりにある。俺はささっと向かった。
お風呂場はドアが閉まっている。俺は何も考えずにドアを開けた。すると……
まだお下着姿の四人がフリーズしていた。
「……」
「……」
余り描写は控えるがとにかく美しかった。
俺は我に返り
「すまん!」
と勢い良くドン! と大きな音を立ててドアが閉める。
それから1分と経たずに再び勢い良くドアが開き顔を真っ赤にして鬼の形相の花梨が無言で拳を握るとそのまま俺に拳一発をお見舞いされて俺は数メートルふっ飛ばされた。
それからしばらくの記憶が無い。
「花梨、やり過ぎだったんじゃ…」
「春馬中々目を覚まさないでふ」
「流石にやり過ぎ」
(うーん。なんだまだクラクラする)
(あ、花梨に殴られて、死んだ…訳じゃないよな)
「んじゃ、起こすためにもう一発…」
「ちょ、もう勘弁してーー」
俺は急いで跳ね起きた。うーんまだ頭が変な感じがする。
「春馬起きた」
「春馬さん大丈夫でふか?」
「大丈夫、春馬君」
俺はまだ本調子じゃない頭で立ち上がりながら言う。
「おぉう大丈夫だ」
「ただ花梨、やり過ぎだ!三途の川が見えるかと思ったぞ!」
花梨はこちらを睨むと
「変態ドスケベ野郎なお前にはピッタリよ」
「変態ドスケベ野郎は失礼な」
花梨はさらに睨むと言う。
「私達四人の下着姿を見たのは誰だっけ?」
「すみませんでした!許してください花梨様」
俺は土下座した。
「うーん」
俺は夢を見ていた。
目の前は病院の廊下のようだ。
そこに白衣を着た"自分"と思わしき人が歩いてくる。
「!?」
俺は白衣をまじまじと見ていると名札が目に入った。
「仲!?」
俺は苗字の一文字目を見た所で目が覚めた。
目の前は天井……ではなくノートだった。
「やべ、寝ちゃってたのか」
どうやら寝る間に最後の復習をして、そのまま寝てしまったらしい。
「時間は!?」
7時55分……やばい完全に寝坊だ!って四人はっ……
俺は四人の部屋を順番に周る。すると驚くべき事に全員寝坊していた。
俺と四人は急いで着替えと支度をして家を出ていつもより一本遅い電車に飛び乗る。
そのまま15分程電車に揺られて最寄り駅に着くと電車を飛び降りる。
登校時間の40分まであと10分弱、走ればなんとか
と、俺が振り向くと多緒があなたとコンビのコンビニにの前で立ち止まっていた。
俺は
「どうした?」
と早口に聞く。
多緒はもじもじしながら
「何も食べずに出てきたのでお腹がすきまして」
「分かった! 寝坊は俺が悪かった。だから奢ってやる、さっさと選べ!」
そして多緒は結局肉まんを2つ買った。ちなみに俺も一つ買ったが半分一気に取られた……アイツの食欲は侮れん
横では小走りしつつも多緒はまだむしゃむしゃと食べている。
多緒が食べきったのを見計らって言う。
「お前、食べるのは構わんが動かないと太るぞ」
多緒はゆでダコのように顔を真っ赤にしながら
「う、うるさいです!別に太ってませんから!」
確かに多緒は四人の中ではスリムなほうだ。
一体どんな仕組みで太らないのだろうか?
そうこうしていると校門が見えた。とキーンコーンカーンコーンとチャイムが鳴り出す。
そしてチャイムが鳴り終わるまでに有香里と花梨は入ったが紗月と多緒は鳴った後に入り俺も続こうとする。すると
「おっと、君チャイム鳴り終わったよ」
俺は腹が立って言う
「いや、紗月達が入った時も鳴り終わってただろ」
先生は
「いや、仲川さんは四つ子だから四人で一つみたいなもんだろ」
俺は先生に注意されながら心の中で思い切り叫んだ
(この、クソ教師がー!)
そんな俺を有香里達は申し訳なさそうに見ていた。
ちなみにその後は1回目だったので注意だけで終わり、テストには間に合った。
中間テストの結果は!?
俺は今日返されたプリントを持って居間に来た。
居間には四人とも揃っている。
すると有香里が心配そうに言う。
「結果、どうでした?」
俺は
「結果は……これだー!」
とプリントを皆の前に広げる
数学:31
国語:54
社会:40
理科:39
英語:35
四人は同時に
「「「「やったー」」」」
と良い顔も明るくなった。俺は苦笑しつつも言う
「なんと全て赤点だけは回避できた。我ながら信じられないが」
有香里は嬉しそうに言う
「良かったじゃないですか!赤点回避は出来て」
俺は
「あぁ、良かった!これもお前ら四人のおかげた。ありがとな本当に」
「私が教えた国語が一番点数高い……」
すると紗月が俺に抱きついてきたかと思うと
(チュ)
俺の頬に紗月の唇が触れ合った。
「えっ」
俺は呆気ない声を出す
「「「ええっ!」」」
三人も同じのようだ
すると紗月は俺から離れて少し恥ずかしそうにしながら言う。
「嬉しくって、つい…しちゃった」
俺は
「あ、え、えーと、おう」
もはや思考が追いついていなかった
(俺、今、キスされた!?しかも同い年の女子に!?)
ずっと休み時間を読書に費やしてきた俺はキスなんてラブコメでしか見ないだろうと思っていた。
それがまさか現実に……しかも俺がされるとは…
俺はしばらくドキドキが収まらなかった
「はぁ、先こされちゃった」
「でも、絶対負けない!」
花梨は紗月への嫉妬心に燃えていた
それは有香里や多緒も同じだった
最後まで今回もお読み頂きありがとうございます
今回は中間テストの様子を描いてみました
実際、筆者が高校に入って初めての中間テストで赤点回避ができたのでその事を思い出しながら書きました。
そして今日は筆者のお誕生日でした!詳しくはXを見てくださいね。最後にこれからも春馬達5人と共に自分も成長していきます!よろしくお願いします
次回は明日の予定です




