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デビュー配信④

※世界一どうでもいいお知らせ

前話で「幼稚園」だった箇所を「保育園」に修正しました。

「……いやホントに大変すぎるんですけどっ!!!?」


【コメント】

 :台パンwww

 :ベイビちゃんブチギレでくさw

 :(T△T)(T△T)(T△T)

 :たっくん暴れないで


「いや暴れるに決まってるだろ! まったくどうなってんだよここの視聴者たちの発想は!! 一周回って天才的すぎるだろ!!!」


【コメント】

 :えへへ

 :……それほどでも

 :なんか照れる///


「だぁああ褒めてないから1ミリたりとも! 皮肉だから皮肉! ちゃんと正しく受け取ってください!!」

「まあまあたっくん、いったん落ち着いて。せっかくみんなが考えてくれたんだし、とりあえず検証するだけしてみましょう。もしかしたらよく見ると使えそうなアイディアもあるかもしれないじゃない」

「いやいやないでしょさすがに……どう見たって読むのもはばかられるレベルの珠玉のラインナップなんですけど」



 ①おぱチュパ民々

 ②チ〇ビの友

 ③チュパチュパチャップス

 ④おしゃぶりん(淫語)

 ⑤ばぶりシャス

 ⑥おもらしフレンズ

 ⑦永遠の0(精神年齢)

 ⑧合法乳しぼり民

 ⑨母乳戦隊ベビレンジャー



 ……うん、すごい。改めて見ても漏れなくクソだ。

 はたしてこんな中に使えるものがあるのだろうか? いや、あるとは思えんが……。


「それじゃあまずは②の“チ〇ビの友”だけど」

「来たよ、いきなり検討の余地もないやつが……」

「でも語感自体はいいわよね、“竹馬(ちくば)の友”みたいで。意味的にもすっごい仲良しってことだし」


【コメント】

 :たしかにそう聞くと悪くない

 :あーズッ友的なね

 :竹馬代わりにチ〇ビでいっしょに遊んできた友だちか

 :友「おーいベイビ、お前もこっちに来ていっしょに吸えよ」ベイビ「ひゃっほーい!」

 :これは無二の親友


「どこがだよ。チ〇ビつながりのズッ友とかどんな友だちだよ卑猥すぎだろ。つーか俺のテンションもおかしいでしょ。なんだよ『ひゃっほーい!』って」


【コメント】

 :草

 :いろんな妄想が駆り立てられそうな関係

 :つーか今更だけどチ〇ビって伏字にするととたんにイヤらしく感じるな



「う~ん、じゃあそれはいったん飛ばして次を見てみましょうか。③は“チュパチュパチャップス”ね」

「スペインと戦争なっちゃうのでダメです」

「え、チュッパチャップスってスペイン産なの?」

「そうだよ。スペインのメーカー」

「えーそうなんだ。ママずっとアメリカだと思ってた。たっくんすごーい」


【コメント】

 :へー

 :おいこの赤ちゃん意外に博識だぞ

 :まさかこの流れで一つ賢くなるとは……



「じゃあ④の“おしゃぶりん(淫語)”は?」

「う~ん、カッコの部分さえなければこの中じゃ一番マトモそうなんだけど……」

「おしゃぶりと言ったら赤ちゃんの必須アイテムだもんね。ママもこれ好きかも。かわいいし」

「そう? じゃあもうただの“おしゃぶりん”にしちゃってこれで決定に――」


【コメント】

 :(淫語)は絶対にハズさないでください


「あ、たっくん。さっきの発案者さんからハズさないでってコメントが」

「えぇ……」


【コメント】

 :なんだそのこだわりwww

 :ムダに意思がかてぇw

 :せっかく決まりかけてたのにww

 :まさに変態の鑑



「じゃあ⑤は――」

「思いっきりガムですやん。却下」


【コメント】

 :早いw

 :ザ・フーセンガム

 :今度こそアメリカきた!

 :たしか日本だともう販売終了してたよな

 :え、そうなの!?

 :アレ好きだったのに・・・(泣)


「あー、たしかに俺も好きでした。めっちゃよく膨らむからなんかキモチいいんですよね。……ってそんなことはどうでもいいんですよ! 残りの候補も全然マトモなのないしどうすんだよこれ! なんだよおもらしだの母乳だのって!」

「難しいところよね。ベビレンジャーって言うと戦隊モノだから本来は赤とか青とか緑で色が分かれるのに、母乳だと普通は白一択だものね。でもそれだと誰が誰だか見分けがつかないから絵面的に困っちゃうし……」

「いやそんな細かい心配はしてないから! だいたい放送できねーよそんなレンジャー! いったい何曜日の何時枠なんだよ!!!」


【コメント】

 :wwwww

 :wwwwwwww

 :全員真っ白なレンジャーは草

 :絶対深夜やろなぁ

 :毎週金曜26時

 :全員女性キャストでパッツンパッツンの衣装とかだったらぜひ観たいが

 :そもそも戦隊スーツはピチピチでちょっとエ〇い定期

 :そこはかとない企画物のA〇臭で草


「…………」


 ……いかん、なんだこれ全然決まる気配ねぇじゃん。

 うあ~どうしよ。まさかここまでこんがらがるとは思わなかった。なんかだんだん場も煮詰まってきた感じがするし……。

 え、どうすんのマジで? ホントにこの中から1個選ばないといけないの? ちょっといくらなんでもそれはキツすぎんか? 稀に見るクソ候補ぞろいなんだが?

 こんなん選挙だったら有無を言わさず白票を投じるレベルだろガチで……。



 ――と、まさにそんなときだった。



【コメント】

 :はい!“バブ友”というのはどうでしょうか?


「バブ友……?」

「へぇ~いいかも。なんかママ的にはすっごいストンときた気がする。バブバブ友だち……略してバブ友。たっくんとリスナーは同じ保育園の友だちってことで。たっくんはどう思う?」

「……うん。こう言っちゃアレだけど、今までの中だと俺も一番しっくりくる気がする」


 うん、これなら悪くないかも。

 意味だって通ってるし、ちゃんと俺のファンネームっぽい。

 少なくとも今まで出てきた有象無象とも呼べないダメ候補たちに比べればぶっちぎりでマシだ。


【コメント】

 :いいと思う!!

 :これはアリ

 :ついにナイスなのきたバブね!


「あ、見てたっくん! 早速コメント欄にも赤ちゃんが!」

「え……ホントだもう成りきってる! 順応はやっ!」


【コメント】

 :バブバブ!

 :え~んえ~ん!

 :あのね~ボクね~

 :ミルク!ミルク!


「おうおうおう……すごい、マジでコメントが保育園みたいになってる」

「お~ヨチヨチ。お腹すいちゃったね~。待っててね~、今ミルク用意するからね~」

「そしてこっちも! 早速めっちゃ甘やかしてるし!」

「えへへ、なんか見てたら可愛くなってきちゃって」


【コメント】

 :まーたんもかわいいよ

 :これで正真正銘まーたんが俺たちのママに・・

 :ママ~~~

 :やばい、なんかバブバブ言ってたらだんだん気持ちよくなってきた

 :ここが桃源郷ですか?

 :しあわせ・・・・

 :あぁ~


「うふふ。あらあらみんな楽しそうね」


【コメント】

 :これはもうバブ友で決定でいいんじゃないかバブ?


「う~んたしかに。え~っと……じゃあ、今後は“バブ友”ってことでひとつよろしくバブ。みんなもそれでいいバブか?」


【コメント】

 :いいバブ!

 :バブ!(はい!)

 :わ~いバブ!!

 :みんなよろしくバブ!

 :バブバブ~~~!





 …………うん、なんだこれ。


 ともあれなんやかんやありつつファンネームが決定したところで、俺の初配信は終わったのだった。

バブバブ!(次回は5/6(火)更新予定です)


余談ですがこの作品を書いてるときの僕も「…………うん、なんだこれ」ってよく言ってます。

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