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大丈夫でしょう……だって僕、肥満だから
やると決めたからには行動が早いのが私です。
手早く水分を摂取するとジョギングウェアに着替えます。
このウェアも長い付き合いで愛着ある一品です。
しかし残念な事に最近、随分と傷みが激しくなってきました。
(もってくれよ、オラのウェア……目標10年だ!)
などと某戦闘民族の様に叫んだかは不明ですがさっさと走りに行く事にします。
私の近所には大きめの公園がありそこを一周するのが定番のジョギングコース。
幸いな事に今日の天候は穏やかで絶好のジョギング日和といえるでしょう。
昨日まで吹雪いていたのが噓のよう。
軽い準備体操の後、助走をつけて走り始めます。
しかしすぐに気付きました……
いえ、気付かされました。
見ないふりをして目を背けていた現実に。
(重い! 前回よりもずっと――)
そう、鈍りに鈍った身体。
特級呪物のように忌まわしく纏わりついた脂肪が行く手を阻みます。
けどここで諦めたら試合終了です。
(まだだ、まだ終わらんよ!)
喘ぐような呼吸に辟易しながらも自分との戦いに臨むのでした。