幕間~迢ャ遶?する■■あるいは■■■■ そのⅠ~
題名バグではありません。
世界のどこか。常世かはたまた現世か、どこにでも存在していて、誰にも観測されることのない地に、二つの影だけがポツンとただそこにオブジェクトの様に存在していた。無の領域は静寂に包まれており、時間の流れを一切感じさせない。というより、時間という概念が存在しているのかもあやふやであった。
「…」
グォン
突如空間、いや、三次元の生物が観測する過程でそう知覚しているに過ぎない場所の一部が捻じ曲がった。それによって出来た穴の先には、複数人が頭を下げていた。白い修道服に似た服装で統一されており、三角に尖ったフードを深く被っているせいで、その表情は確認できない。しかし、影はそれらの人間を一切気にする様子もない。というより、彼らの事を見てすらいなかった。
「…」
「…進捗は?」
「黙示録に従い着々と進めておりまして、残すところあと2割程でございます」
影の1つから発せられた声は、少ししゃがれていたものの、深く響いて首を垂れる者たちの耳から脳幹まで震わせた。それに深い感動と畏敬の念を抱かされ、一層頭を下げて床にこすりつけながら修道服の1人が答えた。
「…」
「もう下がっていい」
「■■■様の御心のままに」
グォン
再び空間が捻じれると、生じていた穴は渦の様に縮んで元の何もなかった状態に戻った。
「…」
「…」
静謐さが支配するこの場所で、二つの影はやがて訪れるその時を今も待ち続けている。
次回再起!怪盗美少女~分岐点!怪盗美少女!のIFストーリーです。
バッドエンドなので、苦手な方はお気を付けください。
ブクマと高評価よろしくお願いします。