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「……っ!アイツほんま何処行きよってん……!!」
とりあえず真っ先にMINEにメッセージを送るが既読はつかない。
「あのドアホ……!さっさと読めや……!」
なかなか既読がつかないMINEを見ながら俺はアテもなく辺りを彷徨う。
その間もMINEに既読がつくことはなかった。
「……クソ」
結局夜中まで探し回ったが、アリスの姿を見つけることは出来なかった。
逆に今度は俺が親から心配されていたので、MINEの返事をし、今夜は捜索を切り上げることにする。
正直、帰りたくなかった。
そんな暇があったら、一分一秒でもアイツを捜す時間に使いたかったのだ。
だが、俺まで行方不明になる訳にはいかない。
「……ただいま」
「デビちゃん……!良かった……!」
帰宅した俺の姿を見て安心したのか、母親が俺に抱き着いてきた。……変な名前つけやがったこと以外は、ええ親なんよな。
「ごめん。心配かけて」
「ええんよ。アンタが無事ならそれで……」
「アリス、見つからんかった」
「……アリスくんも、はよ見つかったらええわね」
「……おう」
あんなギラギラ輝く金髪の男が目立たない訳が無い。
大丈夫や。俺を驚かす為にきっと何処かに隠れてるんや。そうに違いない。
「大丈夫やから。今、警察が捜索してくれとるからね。すぐ見つかるわ」
「…………」
そうや。アリスが居なくなる訳が無い。
どうせ、明日ひょっこり現れるに決まっとる……。
……しかし、結局アリスは見つからないまま、一ヶ月の時が過ぎた……。