受験生編9
お休みの予定でしたが、少し時間ができ、早く完結させたくて、投稿します
さきと友達でなくなっても、あおいはさきのことが気になっていた。さきはあかりと一緒に女子大の推薦を狙っていた。女子大の推薦を希望しているのは、あかりとさきだけではない。クラスの女子の半分近くがそれを狙っていた。どう考えても、さきよりも体育祭でリーダーをやっていたあかりの方が評価は高く、さきは校内選抜に漏れ、あかりだけが先に女子大に合格することになった。
「なんか裏切られた感じ――」とさきが呟いているのを聞いてしまったが、それであかりから離れていくことはなかった。それどころか、合格したあかりにすり寄っていき、一緒に勉強しようとしていた。出会った頃のさきは太陽のように輝いていて、周囲を動かす力を持っていた。それが今はあかりの周囲につきまとうムシみたいだった。
「太陽が沈んでしまって、暗闇の中で生活してるみたいでこっちまで沈む」
あおいはたくろーに少しずつたくろーに自分のことを話すようになっていた。
「太陽だって沈まないと、昇れないし、オレは夕焼けの方が好きだなぁ」
たくろーの一言で見方が変わった。さきの勉強に付き合わされているのはあかりの方だから、ある意味以前のさきとは変わらないのだ。