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受験生編5
そこでたくろーが図書館に入ってきた。指定席が取られてることに気付いた、たくろーはすぐ帰ろうとした。
「待って」
あおいはたくろーを呼び止めたが、気付かぬフリをして、出ていった。
「やっぱり帰るわ」
居心地の悪さを感じていたあおいはさきにそう伝えた。
「さっきの子と知り合い?」
「うん」
それだけ伝えて、図書館を出た。
「合格って何?」
図書館を出たところでたくろーに追いつき、それを聞いた。
「友達といたんだろ? そんなことを聞くために追ってきたわけ?」
「あなたのおかげで、あの子達から逃げることができた」
「ん? 逃げるって友達じゃなかったの?」
「うん、これからは――」
あおいは独立する決心がついた。
「そぉ? この前最後に見返すってて聞いただろ? あれはその答え」
あおいは自分が聞いたことも忘れてしまって、何のことか分からなかった。
「知らない女の子と一緒にいれば、あいつらもきっと後悔するって思ってたけど、そもそも、あいつらはオレに関心なんかないから、見返すには合格しかないと思って」
たくろーも一つの決断があった。