8.アップルジュース
「誘惑」
誘惑はやめて
どうせ
おいていくくせに
どうせ
飽きてしまうくせに
どうせ
忘れてしまうくせに
何もかも大丈夫みたいな
顔をしないで
何もかも包み込むみたいな
大きな手をどけて
「優しさ」
もう死にたいと
あなたは言う
もう疲れたと
あなたは言う
世界の終わりみたいな顔をして
未来なんか見たくないと
ぼやきながら
でも
私何もできない
ただただ
あなたのそばにいて
ただただ
あなたの言葉をきいて
ただただ
あなたを抱きしめることくらいしか
できない
できないの
もっと
優しければ
あなたと死ねたのに
あなたを楽にしてあげられたのに
ごめんね
ごめんね
生きてほしいと
願ってしまって
ごめんね
「顔」
私が好きといったら
あなた
きっと困った顔をするね
でも
その後
微笑んでくれるんだろうね
私の好きな顔
私の好きなあなた
私だけが
あなたの帰る場所だったらいいのに
「ヒト」
心にもない言葉を
たくさん吐き捨てて
私ちゃんと笑えてるかしら
さぐり合って
さぐり合って
結局
何もわかりやしない
だから
とりあえず
笑っとこう
笑いたくなくても
笑えるし
泣きたくなくても
泣けるから
スイッチのONとOFFを探してくれれば
いくらでも
私生きていけるから
ヒトって便利ね
嘘も言えれば
いくらだって偽れる
ヒトって悲しいね