7.黒色に惹かれて
「だんまり」
私はいつも
だんまりをきめこむ
相手に気持ちを伝えるということが
苦手だし
どうしたって
伝えようと思えば思うほど
胸がぎゅっと痛んで
喉が開かなくなる
それが
どれだけ相手を
悲しませたり
困らせたりするかも
わかっているのに
私はいつも
だんまりをきめこむ
口をちゃんと
もっているのに
「夜の一人歩き」
朝と同じくらい夜も好き
どんなに
ライトに照らされていても
私を一人ぽっちに戻してくれる
どうしようもない不安や
たった一人ぽっちの心強さで
包んでくれる
また
誰かに会いたいと思わせてくれる
一人でも呼吸はできると
教えてくれる
どんなに風が冷たくても
河の流れがはやくても
満月が眩しすぎても
恋人たちの手が絡み合っていても
それは変わらない
昔から
「つもり」
簡単に
人を裏切ったことはないつもり
簡単に
人を傷つけたことはないつもり
簡単に
人を悲しませたことはないつもり
あくまで
全部つもり
「ぴぽぱ」
こんなに
簡単につながってしまえる方法があるから
私はすぐ
あなたにつながりたくなる
ボタンを押して
言葉を並べては
ボタンを押して
言葉を消す
不安で
不安で
いっそ
こんなものがなければいいのに
「嘔吐」
汚い私から
黒いものが流れ出ていきます
とまらない
とまらない
体中から溢れ出る
私苦しくて
私壊れそうで
私痛くて
私悲しくて
消滅させて
私を
知ってる
これはただの弱音
だけど
だけど
「生きる理由なんて見つからない」
「理由なんかいらない」
「じゃあ、私何の為に生きればいい?」
あぁ
世界が歪む
あぁ
あなた遠ざかる
とまらない
とまらない
光なんか見えない
黒いものに巻き込まれたの
私はもう
ここにいないの
「野良猫」
そうね
あなたも一人なのね
来る人来る人に媚びて
見返りを求めるのね
「私と同じ」
そう言ったときに
涙がこぼれた
あなたは泣かないのに
私だけ
泣いてごめんね
また
あなたには会いたい
今度は泣かないから