15.部屋の中
「あぁ」
悲しいんじゃなくて
寂しいんだ
「旋律」
眠れない夜に
頭から離れないのは
あなたから教えてもらった
あの曲で
あなたが楽しそうに歌う
少し調子外れの旋律が
まだいったりきたりしてる
今では
すごく好きな曲になったけど
聴く度に
あなたとのことを
ことこまかに思い出す曲にもなってしまったよ
再生回数のぶんだけ
あなたを想う時間があって
その長さに
あなたは驚くでしょうね
もう歌ってはくれないあなたのせいで
今も流れるこの曲は
本物のはずなのに
偽物みたいに聴こえるよ
「あの人」
あの人も恋なんかするんだろうか
そしたら
どんな顔をして笑うんだろうか
「よしとする」
いつか
私への想いは冷めてしまうんだろうか
始まりがあるように
終わりがきてしまうんだろうか
そんな不安を
口にしたら
あなたは
嫌な顔をして
なんでそんなこと聞くんだって言いそうだから
言わないけれど
隣でいびきをかく
あなたの手を握ってみたら
眠ってるくせに
握り返してくれたから
今はそれでよしとしよう
「不安要素」
不安要素がたくさんある
たくさんあって
どうしようもないくらい
そういう時は
音楽をきいても
本を読んでも
やっぱりダメで
絶望する
だって
なんだか
行き場所がなくなったみたい
立ち止まったまま
泣くことすらできない