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嗤う女騎士  作者: カスミカ
暗峠を越え
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銃後(1)

 オビラロフカにて、一月二六日


 いとしい兄さんへ。


 お便り、いつも家族で楽しみに読んでいます。


 わたしもタマラも母さんも、変わりありません。まいにち同じことの繰り返しで、うんざりするほど。エカテリンブルクは今日も平和そのものです。帝国軍の砲弾もこちらには届いてきませんし、銃声だって聞こえません。帝国とモスクワが火花を散らして争っているとはおよそ思えないくらい。ただ、お砂糖の値段が少し上がったかもしれません。


 そうそう、タマラの喘息がだいぶよくなってきたと、お医者様から聞きました。ここ数週間は発作を起こすことなく、姉妹ともに健康に過ごしています。とはいえわたしもまずまず忙しく、学校と工廠の行き来にてんてこ舞いの現状です。


 兄さんが士官学校に入学してから、何年が過ぎたでしょう。兄さんが銃を握って、部下を指揮して戦う兵隊さんだなんて、昔の私たちが聞いたら、きっと鼻で笑っていたに違いありません。


 しかし現に兄さんは、銃後の私たちのために命を懸けて戦っておられることと存じます。シロンスクを越えた先は、モスクワと同じくらいに冷え込む土地だと聞き及んでいます。どうか、ご自愛専一にお過ごしください。


 とりとめのないお話ばかりでごめんなさい。


 最後に、ご武運とご健勝をお祈り申し上げます。


 あなたの妹、アリサ・ソロヴィヨフより。


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