表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
(仮)の世界。  作者: のりぼう。
1/2

①非現実も、また別の現実です。

お初書きとなります。

色々と拙い部分があるとは思いますがこんな世界で遊んでいけたらなとムフフしてくれと嬉しいです。

どんな人だって一度は思ったことがあるのではないだろうか?


今とは別の”自分”になりたいと。


それが叶うとしたら?


今とは違う姿で、

今とは違う職に就き、

今とは違う人間関係で、

今とは違う世界を、


過ごしてみたいとは思いませんか?




これはゲームです。

ですがただのゲームではありません。

リアルを追求し、自分が実際にゲームの中に入って遊べる体験型MMORPGとなっています!


自分の手でモンスターと戦って勝った瞬間なんて

リアルじゃ決して体験できませんよ?


しかもゲーム内で稼いだお金は現金化することができるので

ゲームを極めればお金持ちになれちゃうかも…

勿論、現金もゲーム内マネーとして課金出来ちゃうので無茶な出費はダメですよ?



そんな夢や希望!

果てにはラブなロマンスも待ってるかも!!


どうですか?

早速遊んでみたくなっちゃいましたよね?


それではまず新規登録から始めて行きましょう♪


☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆




「…やっとだ…やっと届いた!」


今さっき、無駄に筋肉が仕上がっている宅配のお兄さんから受け取った荷物を両手に持ち

高鳴る鼓動のままに自室へと小走り気味に戻る。


自室に戻ってから荷物の封を解いていくと

中から出てきたのは、真っ白な外観に黒字でシンプルに”solennel(ソラネル)”と書かれていた箱だった。


こんなにも簡素でシンプルが過ぎないか?と思われてしまうが

箱は箱、重要なのはその中身だ。

この中身の事を考えればこのシンプルな外見も納得だ。

なぜなら表現しきれないから。



更にその箱を空けると出てきたのはコレも白を基調とした、頭全体を覆えるヘルメットのような物。

それから手首まで覆えそうな長さがある黒色の両手袋と、電極パッドのような物が一つ。

後は数本のコードに説明書のような冊子が一部となっていた。


いや、中身も簡素やないかい。


こんなツッコミを入れてはいるが俺はもうずっとニヤニヤしっ放しだ。



説明書を見てみるとどうやら先程の中身の物は全てコードで繋げるみたいだ。


「ふむふむ…部品も少ないし簡単にできるなこりゃ」


実際簡単だった。

なにせヘルメットに全てのコードぶっ刺して残った方に他の物を付けるだけ。

ホントにこれだけ。


「これでほんとにプレイできんのか?」


ちょっぴり不安だ。

そんな気持ちを抱えながらもヘルメット横に付いている起動ボタンを押す。

ヘルメットから起動音が聞こえ、ヘルメットのシールド部分がモニターになってるようで

そこに文字が浮かび上がった。


『Ready?』


その文字を見た瞬間鳥肌が立つのを感じた。

心臓がバクバク鳴ってるのを感じる、テンションが上がりっぱなしなんだから仕方ない。


手袋をはめ、電極パッドを胸に張り付け

最後にヘルメットを被って準備完了だ。


全ての装着が完了するとヘルメットの方でもそれを感知したのか

映し出された文字が立体的になり、ボタンのような感じになる。


その空中に浮かんでるようなボタンに手をかざし、


「なにがReadyだよ、そんなもんGOに決まってるだろ!」


押す。


瞬間、さっきの起動音なんかよりも強い起動音のような音が鳴り響く。




段々身体が軽くなる感覚がする。


視界も暗くなっていく感じがする。


音も、遠くなっていく感じがする。




俺がこちら側での意識を失ってから画面には


『Complete』


この文字だけが浮かんでいた。




☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆



目を開けるとそこは床も、壁も、天井も

とりあえず目に見える範囲は全て真っ白な空間だった。


(もうこれゲーム始まってる?てかこれがあのソラネルか?)


しばらくすると軽快な電子音が流れる。


『ようこそソラネルへ』

『新規プレイヤー様ですね?まずはアカウント登録からお願い致します』


女性の声でアナウンスが流れた後に目の前にウインドウが広がる。

ゲームを始めた時に押したボタンと同じように、キーボードが空間に浮かんでいるので

そこをなんとなくタッチするとしっかりと反応してくれた。


「か、し、ま、れ、い、じ、っと」


自分の名前を打ち込み、確認ページへ


鹿島怜司(かしまれいじ) 様ですね?』


OKのボタンを押して次に流れる。


こんな感じで普通のSNSのように色々な登録を行っていく。

変わっている部分としてはこのゲーム、実際にゲーム内マネーをリアルマネーに換金することが出来るシステムがあるのだ。

そのため個人情報とかは事細かに、正確に行わなければいけない。


その後も契約に同意しますか~とか、これルールだからね~みたいな

ありきたりな部分をスイスイ進めていく。


『ニックネームを設定して下さい』


ここら辺も一般的なのと変わらないので慣れた手つきでいつも自分が使っているHNを入力していく。


『レイ でよろしいでしょうか?』


OKのボタンを押すと、

世界が崩壊し始めた。

白色の景色にヒビが入り、段々と草原のような場所に景色に崩れ変わる。



『改めて、レイ様 ようこそソラネルへ』

『ここはアナタが自由に生き、暮らせる世界です』

『日夜冒険に明け暮れる者、商売に命を燃やす者、スローライフを楽しむ者…』

『様々な楽しみ方がありますが、この世界にはモンスターが存在します』


景色が完全に草原に切り替わると

目の前にいかにもなモンスター、ゴブリンが現れる。


『モンスターの種類は様々です。その土地特融の進化をした個体も存在します』

『この世界で戦闘は避けては通れぬ道』

『レイ様の武器をお選びください』


アナウンスが言い終わると同時に目の前に先程のゴブリン同様、アイテムが出てくる。



ここだ、ここからが自分の追い求めたゲームの世界だ。

今、自分はゲームの体なのにこの高揚感・胸の高鳴りがまるで本物のように感じさせる。


目の前のアイテムに近づくとそのラインナップの豊富さに感動する。


片手剣から始まり、槍や棍棒、盾だけなんてのもある。

いや、盾だけは厳しいだろうに…マゾゲーマー向けか?



色々物色はしていたが遂に目当ての武器アイテムを見つける。


『中・遠距離武器 H&K USPでよろしいでしょうか?』


このゲーム、まさかの実銃が武器として選べるのである。


何を隠そうこの俺、鹿島怜司はアホが付くレベルのFPSジャンキーだ。

FPSだけでは飽き足らず最近ではサバゲーも始め、そこでこのゲームのことを聞いたので早速買ってみた、とういなんとも我ながらアホらしい…


サバゲー仲間から聞いた話では、このゲームでの銃撃戦はFPSやサバゲーとは比べられないレベルなのだと言っていた。


そこまで言うならと思い、バイトで稼いだ貯金を全てつぎ込み

足りない分はシフトを増やしまくり遂に購入に至った。


そうして遂にお目にかかるこの世界での武器

手に持ってみるとズシリとした重みが伝わる。


「すげぇ…“重い”って感じられる…」


『それではチュートリアル戦闘を開始いたします』


俺のつぶやきに反応するかのように始まった初戦闘。


『レイ様が装備している武器は実際に銃を撃ち、敵にヒットするとダメージが入ります。』

『実際に攻撃してみましょう』


言われるがままに構えてゴブリンの頭に狙いを定める。


(俺からゴブリンまでは10mくらいかな?これくらいなら外さないだろ)


動かないでいてくれるゴブリンに対して深くは考えず、引き金を引く。

パンッと乾いた音が鳴った後、ゴブリンにダメージ判定なのか弾が当たった付近に

小さく赤字で“30”の数字が浮かんだ。

攻撃を受けたゴブリンはそのまま倒れ、消滅していった。


そんな事より凄いのは、このゲームしっかりと銃を撃った時の反動がある事だ。

あまり力まず軽く撃ったもんだから手や腕がビリビリしている…


『お見事、ヒットです』


アナウンスと同時に新しいゴブリンが生まれる。

次のステップに行くのだろう。


『もちろんモンスターも攻撃をしてくるのでレイ様は攻撃を受けないように注意して下さい』

『仮にどんな攻撃を受けてもちょっと引っかかれた程度の感覚しかありません』

『この痛覚システムはON、OFFが設定できますので不快に感じられた場合はOFFにすることをお勧め致します』


『今度はゴブリンからの攻撃です』


そう言うと、ゴブリンがなんだかホギャホギャ言いながらこっちに来る。

手に持っている棍棒のような物で襲ってくるがあまり素早くも無いので難なく避けていく。


(結構簡単に避けれるもんだな)


だがダメージを受けた時の事が気になったので一発だけ受けてみることにした。


「ホギャ――!!」


「うお!?…あ、ちょっと痛い、かも?」


攻撃を受けると、ボカッといい音がした。

殴られた勢いで倒れてしまったが、痛みと言えるレベルではなかった。

攻撃が当たった場所を見てみるとさっきと同じように赤字で“5”と数字が浮かんでいた。


嫌な人は嫌かも知れないが、これ痛覚OFFにしてると

後ろからいきなり襲われた時とかにすぐ気が付けないんじゃないか?

戦闘があるという事は当然待ち伏せや奇襲だってあるだろう。


というか、この程度の痛みならサバゲーでヒットした時の方が痛い気がする…

そんなくだらない事思いつつ痛覚設定はONのままにして次へ進む。


『プレイヤー、モンスターそれぞれHPは異なりますが、HPをゼロにすれば死亡となります』

『モンスターを倒せばアイテムやお金などがドロップします』

『プレイヤーが死亡してしまった場合、その時持っているアイテムは全て消滅、ロストとなります』

『くれぐれも死亡しないように注意してください』



『それでは次にアイテムの使用に移ります』


目の前にこれまたいかにもな丸フラスコとナイフが現れる。


『これらメイン武器以外のアイテムは防具などに装着することもできますが、

基本的にはアイテムボックスに収納しておくことができます』

『アイテムボックスの中を確認・使用するには指を一本立てた状態で、

下から上にスワイプするようなジェスチャーをして下さい』


言われた通りに目の前の何もないとことを人差し指だけでスワイプしてみる。

するとあら不思議。なんだかアイテム欄のような物が出てきた。


『そちらがアイテムボックスになります』

『装備の変更、ボックス内のアイテムの使用はその画面を開かないと行えません』

『アイテムアイコンをタッチすると使用・交換・破棄から選択が出来ます』


『ショートカットモーションとしてアイコンをタッチしたまま画面外へスワイプすると

アイテム使用選択となります。戦闘中などには便利な機能となっています』


『持っているアイテムをボックスに収納する際には、もう一度アイテムに触れると

収納・破棄の項目が出てくるので収納をタッチして下さい』


言われた通りにフラスコとナイフに触れて“収納”を選択。

その後アイテムは消えて、ボックス内にアイコンとして表示されるようになった。


『最後にスキルの説明に入ります』

『スキルとはすべてのプレイヤーが持ってる物ですが、まだ発見されていないレアスキル等多数存在しています』

『スキルは売買することができ、レアスキル・ユニークスキルは高値を付けられています』


『スキルにはレベルが存在し、所持しているプレイヤーがレベルアップした際などに手に入るスキルポイントを使ってスキルのレベルを上げることが出来ます』

『スキルレベルが高いほど効果が強く発揮するため、レベルの高いスキルも高値が付きます』


『スキルを手に入れる方法は

 ➀市場などで購入する

 ➁プレイヤー同士での交換・購入する

 ➂モンスターとの戦闘でそのモンスター特融のスキルがドロップする

 ➃戦闘を繰り返して行くうちに自然発生する』

『以上がスキルを手に入れる方法です。➃に関してはそのプレイヤーの戦い方に色濃く繋がるスキルになりますので他のプレイヤーが同じように使えるかどうかは不明なのでご注意ください』



『それでは説明は以上となります』

『これから最初のログインボーナスとしてスキル付与バトルをして頂きます』

『これからレイ様にはゴブリンと戦闘を行ってもらいその戦い方により適切なスキルを付与させて頂きます』


長かったチュートリアルを終えるとボーナスタイムの始まりだ。

事前にネットなどで調べた情報だと、この最初のスキル付与バトルが重要らしく

レアスキルなどが手に入りやすいなのだとか。


景色がまた崩れ変わっていき、

廃墟のようなものが立ち並ぶ街の中心部に変わっていった。


そして目の前にはゴブリンが三体。


「いやいやいや、初戦闘で多対一なの!?」


俺の叫びむなしくアナウンスが流れる。


『バトルスタート、ご武運を』


戦闘が始まってしまった。




☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ