プロローグ
こんにちは!
川向きみこと申します。初めての投稿になりますが、お付き合いいただけると嬉しいです。
まったりとした更新になるかと思います、、執筆頑張ります!
「お母さん、これ欲しいっ!!」
少女の小さな手が指さしたものが、微かだけれどビクッと揺れたような気がした。
大きすぎる元気な声を出したから、きっと植物がビックリしてしまったのだろう。
「比奈、ちゃんと自分で育てることできる?」
比奈と呼ばれた少女は母親の言葉に、大きく首をブンブンと上下に振る。彼女の着ている可愛らしい桜色のワンピースがふわりと揺れた。
「ひなね、一目ボレしたの!ぜっっったい大切にする!!」
「じゃあ買ってあげる。大切にしてあげてね、約束よ?」
「わかった!!」
興奮気味の大きな返事に、母親は微笑みながら私の…比奈の頭を優しく撫でてくれた。
(ああ、お母さん…元気にしてるかな。会いたいな。)
比奈はぼんやりとその光景を遠いところから見ていた。
どこか懐かしく感じるその光景は、彼女の思い出が生み出した夢の中。だから、比奈はただ懐かしさと寂しさを感じながら、自分が特に何もする訳でもなく、ボーッと少女と母親のやり取りを見ていた。
遠い昔の記憶。
あれはいつの頃だったのかな…。
そう呟いてそっと目を閉じるとまた深い深い眠りの中に吸い込まれていった。
さて、何の観葉植物を比奈は一目惚れしたのでしょう??